光の少ない日陰でも育つ観葉植物

公開日:2018/8/15 更新日: 2018/8/24

光の少ない日陰でも育つ観葉植物

光の少ない日陰でも育つ観葉植物

インテリアグリーンとして流行の観葉植物ですが、いざ植えるとなると色々な種類の観葉植物があり何を植えるか迷ってしまう事もありますよね。室内でも育てやすい観葉植物といえば、やはり比較的光量がすくない日陰のような場所で育つものが最適です。観葉植物について深くご説明しながら、皆様の参考になるよう沢山の種類の観葉植物の中から日陰でも育つものをピックアップしていきます。

植物にはなぜ光が必要か

植物を栽培するときに必ずと言っても良いほど重要なのが光です。光がなくとも生きていける植物は腐生蘭やギンリョウソウなど菌に頼って生きているものくらいで、その他はほとんどありません。

ただし、日陰に生育するものなどは少ない光でも生きていくことができ、そういった植物が観葉植物にされることが多いです。

光合成とは

光合成とは光から生まれるエネルギーによって大気中の二酸化炭素や水分を分解して炭水化物を作り出す仕組みのことで、植物はその炭水化物を消費して生きています。

そのため、光を得られなくなると植物は飢餓状態となり、やがては枯れてしまいます。観葉植物の場合は直射日光ほど強い光には弱い場合があるので注意しましょう。

植物_光合成_みんなのみどり

日光が無くても大丈夫?

日光がなくても大丈夫です。要は植物が利用している光の波長さえあれば問題ありませんので、人工的に作り出すことが可能です。

例えば赤い光を生育に必要としているので、赤く塗った電球を使って栽培してみるなどといった実験も行われています。

植物は赤い光以外に青い光も必要としているため、植物育成用ライトなどはこの赤と青の2種類の光を出すように作られています。

日照不足になるとどうなるのか?

日照不足になると植物は栄養が作れなくなるので、自分の細胞を分解して栄養にし始めます。

その結果起こるのが葉の黄化現象などで、そういった面からも植物の健康状態を図ることができます。日陰に強い植物は根に栄養分を蓄えるので、根が健康であればあるほど日照不足に強いといえます。

LEDや蛍光灯のライトは使えるか?

LEDや蛍光灯も使う事ができます。しかし、植物の利用しやすい光を出すものは限られているので、植物育成専用のLEDや蛍光灯を探すと良いでしょう。

ただし、植物育成用ライトの本格的なものは非常に高価なので比較的安価な水槽の水草用のライトを購入すると良いでしょう。

ただミニトマトのマイクロトムは普通の蛍光灯でも栽培可能です。

オフィスの蛍光灯のしたで育つ植物_みんなのみどり

日陰や光の入りにくい場所にオススメの植物

鬱蒼とした森のに自生する植物は基本的に日陰に強いのでそういった種類が観葉植物として栽培されることが多いです。

ただし、全く光を与えないとやがて枯れてしまうので出来るだけ多くの光を与えてやると良いでしょう。

太陽光じゃなくても構いません、ライトなどでも少なからず植物は利用できます。

日陰で育つ観葉植物_みんなのみどり

 

耐陰性の強い植物①:パキラ

パキラ

観葉植物の代表的な種類で、幹がボトルの様になる独特の樹形が魅力的です。

日光を好みますが、耐陰性も強く、光量の少ない室内でも枯れることがありません。

コンパクトに飾ることもできるのでインテリアグリーンとしても人気です。背丈があまり大きくならない植物なので野生では光があまり届かない場所にも生えているのでしょう。

とはいえ光合成は必要なので暗い部屋に置くのはよくありません。蛍光灯やLEDで出来た植物育成ライトがあると便利です。パキラは水分を好む植物で、本来は川岸などの水辺に生えています。

そのため水切れに弱いので出来るだけ毎日水分管理に気を配ると良いでしょう。しおれてしまったら水に漬けると治りますが、それでも治らない場合は、しおれていない部分まで切り戻すと新しい芽が生えてきます。

土は水が溜まりにくい粒状のものが適しています。

パキラはカイエンナッツとも呼ばれ食用にもなることが知られています。

ですが芽の部分にジャガイモのものと似たソラニン系の毒素があることが判明したため、現在では食用が禁止されている国もあります。

万が一食用にする場合にはまだ芽が動き出していない新鮮なものを利用すべきですが、いずれにせよ出来るだけ食べない方が良いと思います。

耐陰性の強い植物②:サンセベリア

サンセベリア

空気を浄化するとされ病院にも置かれることが多いサンセベリアですが、耐陰性があるので家庭でも観葉植物として楽しむことができます。

リュウゼツランなどに近い種とされますが、より丈夫でほとんど枯れることがありません。再生力が強いので簡単に増やすことができます。

斑入りのものが多いですが、日光不足になると斑が薄れるので、美しく保つためにたまには窓辺に置くなどの工夫が必要です。

ただ西日に当たると葉焼けを起こします。

栽培方法は至って簡単ですが、乾燥に強く水が多すぎると根が腐ってしまうという欠点があるので7~9月の間以外は土が完全に乾いて少ししてから水をやるくらいで大丈夫です。

葉挿しで増えるので混み合った葉を間引いた際に土に挿しておけば根が出てきて再生します。葉を分割したものを挿しても復活するので、沢山増やしたい場合は分割した葉を使うと良いでしょう。

サンセベリアは光合成が満足に行かないと色が薄くなってしまうので、日光不足にならないようにたまには窓辺などで日光に当てるべきですが、野外に鉢を出してしまうと、培養土に腐葉土やピートモスなどが使われていた場合にクチキバエなどのキノコバエの仲間が土を餌にして繁殖し、鉢の中で育ったハエが室内を飛び回ることがあるため、できるだけ野外に置かない様にすると良いでしょう。

耐陰性の強い植物③:ポトス

観葉植物_ポトスタワー_1

サトイモ科では珍しくツル性になるものがポトスです。

熱帯雨林原産で鬱蒼とした森で木々に絡みついて生育する植物なので耐陰性は抜群です。

見た目が美しいのでフェイクグリーンが作られることもあります。本来であれば1枚の葉が70センチ以上にもなる大型の植物ですが、日本では九州沖縄などの一部の地域でしかそこまで成長することはありません。花は里芋と同じような花が咲きます。

日陰に強いので室内でも問題無く生育しますが、上にツルを向けると大きく育ち逆に下垂させると成長が抑えられるという性質があるので、満足いくところまでの高さまでツルが伸びたら下に向けて垂らすとそれ以上大きくなりません。

低温にとても弱いので冬はあまり水をやらずに風の当たらない室内に入れると良いでしょう。

LEDで出来た植物育成ライトなどがあればより元気に育ちます。生育に光は必要ですが日光が強すぎると葉焼けを起こしやすいので、室内でライトを当てて栽培すると良いでしょう。

LEDでできた植物育成ライトが最適ですが蛍光灯でも育ちます。もし地植えにするつもりであればバナナやヘゴなどの太陽光を遮る植物の幹に這わせるのが良いかも知れません。

寒さに弱いので9度以上を保つのがベストです。

 

耐陰性の強い植物④:シェフレラ

アイキャッチ_神奈川のレンタル観葉植物_1-1

大きい観葉植物として人気があるのがシェフレラです。

シェフレラは葉が放射状に広がるのでアンブレラツリーとも呼ばれます。

最大で10メートルにも達する植物ですが、それでも自生地ではシェフレラ以上の巨木でひしめきあっているので、シェフレラは少ない光でも生育出来るように進化してきました。

葉が放射状に広がるのも光を拾うための工夫かもしれません。室内であれば蛍光灯で照らしてやると良いでしょう。

シェフレラは乾燥に強く、それほど水を必要としませんが水切れするととたんに葉が全部落ちてしまうので、夏は土の表面が乾いたら水をやり、冬は乾いてから数日経ってから与えると良いでしょう。

日陰に強い植物ですが、日光も好むので夏は太陽光に当てながら野外で栽培して、冬は室内に取り込むなど、様々な方法がとれる丈夫な植物です。

やはり大きく育つ植物なので、大きめの植木鉢を用意しなければすぐに根が詰まってしまいます。ただし、重くなるので家に男性がいない場合は8号程度でないと持ち上がらなくなるかもしれません。

挿し木などで増やすことも出来ますが、斑入りの品種は斑が入らなかった枝を使ってしまうと斑がなくなるので、斑入りの枝を使いましょう。

 

耐陰性の強い植物⑤:ウンベラータ

観葉植物_尺鉢_ウンベラータ_1

ハート型の美しい葉を持つ熱帯性のイチジクの一種で、観葉植物として最も人気の高いものの一つです。

小さい植木鉢でも観葉植物として栽培する事が可能ですが、本来は5メートル以上に成長する植物なので出来るだけ大きい鉢で栽培すると良いでしょう。

イチジクの仲間なのでイチジク同様の偽果をつけます、ナシに似ていて可愛らしいのでこちらも観賞用につけておいても良いかも知れません。

日光が好きな植物ですが、葉が広い分弱い日光でも充分に光合成ができます。

アルカリ性土壌でないと生育しなくなるので、有機石灰などを混ぜて土をアルカリ性に保つと良いでしょう。

肥料はそれほど必要ありませんがカルシウムやマグネシウムが欠如すると葉の色が悪くなります。マグネシウムの補給には塩化マグネシウム(にがり)もしくはキーゼライトから作られる天然硫酸マグネシウムが持続性があるので良いでしょう。

イチジクに似た偽果を付けることがありますが、これを「実をつけると木が弱る」といって取ってしまうと、逆に傷口から雑菌やウイルスに感染したりしてしまうリスクが高まりますのであまり取らないほうが良いでしょう。

さらに樹液にはタンパク質分解酵素が含まれているので、触ると皮膚のタンパク質が溶けてかゆみがでます、剪定の後にはよく手を洗いましょう。

 

耐陰性の強い植物⑥:オーガスタ

アイキャッチ_病院・介護施設のレンタル観葉植物

那覇空港に沢山生えているバナナの様な植物がオーガスタです。

ストレリチア・ニコライの名でも知られ、鳥の頭のような特徴的な花を咲かせます。様々な花色品種がありますが、日本で見られるのはだいたいがオレンジ色主体のものです。

葉が大きく直射日光にあたると葉焼けを起こすので、カーテン越しの柔らかい日差しが適しています。

バナナに近い仲間ですが日陰に強い性質があるので室内で栽培できます。酸性土壌を好むので赤玉土を主体に腐葉土を混ぜた土で栽培します。

バナナと違い乾燥にはある程度耐えるので冬の間はあまり水をやらなくとも大丈夫です。

肥料をやる場合は、窒素の要求量が少ないのでカリ肥料主体で少しのリン酸とわずかな窒素というバランスで与えると良いでしょう。1株につき10グラム程度の肥料を初夏に与えます。

カイガラムシやハダニなどがつきやすいので、トマトやメロンの近くに鉢を置くとハダニがつきやすくなり、サボテンや木苺の近くに置くとカイガラムシがつきやすくなります。

カイガラムシはそれほど繁殖しませんが、目立つので見つけ次第捕殺して下さい。

ハダニは増えると根絶が難しいので注意して下さい。

 

耐陰性の強い植物⑦:モンステラ

モンステラは観葉植物のエリートのような存在で、丈夫で美しく、なんと種類によっては食用にもなることが有名です。

ただ普通の種類はモンステラの名前の通り最終的にはモンスターサイズになります。そのためはじめはヒメモンステラとよばれるものからはじめてはいかがでしょうか。

ヒメモンステラと呼ばれるのはペルツーサやアダンソニーでモンステラと呼ばれるのは果実が食用になるデリシオーサです。モンステラの栽培方法は至って簡単で、酸性の水はけの良い土で水を切らさず栽培するのが基本です。

肥料は硫酸カリ肥料主体が良いですが、ヒメモンステラには専用の肥料も存在します。日陰でも日向でも育つ強い植物ですが、西日の強い太陽光に当たると葉焼けを起こすことがあります。

土はブルーベリーの土に鹿沼土か赤玉土を多めに混ぜ込んだものを使うと良いでしょう。

ヒメモンステラと呼ばれるものの中にモンステラの仲間では無いラフィドフォラ・テトラスペルマとよばれる種が混じっている場合があります、葉の形が似ていますが育つうちにツルになっていきモンステラのイメージと異なる姿形になるので注意して下さい。しかしながら葉型が似ているのでツル性でも気にならない方にとってはとても丈夫で育てやすい植物です。

 

耐陰性の強い植物⑧:幸福の木

観葉植物_尺鉢_マッサンゲアナ_1

幸福の木は名前の縁起の良さから人気の高い観葉植物です。もともと森に生える植物なので日陰に強く耐陰性があります。ただし、斑入りの品種は太陽光に当てないと日光不足で模様が薄れてしまうので明るい窓辺など光の強い場所に置くと良いでしょう。ドラセナ・マッサンゲアナと呼ばれる種が主流です。迫力があるのでインテリアグリーンとして人気があります。水が大好きで多湿を好みますが土に水が溜まると根腐れを起こしやすいので、水はけが良い粒状の土を用いて地上部には一日一回は葉水をかけてやると元気に育ちやすいです。冬など乾燥しやすい時期には水やりを減らして葉水を増やしてやると良いでしょう。日陰に強い植物ですが、太陽光に良く当てると形良く育ちます。本来幸福の木と呼ばれていたのはハワイに自生するコルディリネという植物で、フラダンスのスカートなどに利用されている種類です。地下茎が食用になるとされます。見た目が似ているので混同されたのでしょうが、こちらはハワイ以外の気候では上手く育たないため、代用としてドラセナが利用されているのかもしれません。

 

耐陰性の強い植物⑨:ゴムの木

各種施設のレンタル観葉植物_3_塾のベンガレンシス

新芽が赤い鞘に収まっていることが特徴のフィカス(イチジク)の仲間です。葉鞘の美しさだけでなく展開した葉の光沢なども素晴らしい観葉植物です。

見た目が素晴らしいのでインテリアグリーンとしての存在感は抜群です。ガジュマル同様に栽培も簡単で、イチジク同様の偽果がつきますが食用にはなりません。栽培方法は簡単で、観葉植物用の土で問題ありません。

本来は巨大な木になりますがインテリアグリーンとして飾るのであれば植木鉢で大丈夫です。水切れすると葉が落ちるので乾燥させないようにしましょう。耐陰性がありますが光に当てないと弱ります、出来るだけ光に当てた方が良いですが西日にあたると葉焼けを起こしやすいので室内で栽培する方が良いでしょう。

ゴムの木は名前の通りゴムの原料になっていたことからきているので、ラテックスアレルギーの方などは剪定の際に樹液に触れるとアレルギー反応を起こすことがあるとされているので注意しましょう。

そのほかアレルギーがなくとも他のフィカス同様に樹液がついた箇所が肌荒れになるので気をつけて下さい。

 

完全に真っ暗な場所にはフェイクグリーン

植物の栽培が不安な方はフェイクグリーンを利用するという手もあります。飲食店などでは土に虫が湧いたりすると問題になるので造花やフェイクグリーンが使われることが多いです。

光触媒人工観葉植物とも呼ばれモンステラからドラセナまで沢山の種類があります。フェイクグリーンは生物ではないので水やりや土に気を配る必要はありませんが、だからといって放置しているとホコリが溜まって見た目を大きく損ないます。

3日に1回はホコリを落としてやると良いでしょう。葉の大きなフェイクグリーンは偽物感が強くでてしまうので、本物に見せたい場合は葉が小さくツル性のものを利用しましょう。室内であれば10年は持ちますが、野外だと2年ほどでいろがあせてしまうので気をつけてください。

 

日光にも注意が必要

日陰に強い植物というのは、裏を返せば強い光に弱いということになります。あまりにも強い光に当たると弱ってしまうものがおおく、黄化して枯れてしまうものもあれば、葉が全て落ちてしまうこともあります。

湿度によっても日光への耐性が変わってきますので、できるだけ水を切らさないようにすると良いでしょう。

真夏の直射日光には特に注意

真夏の直射日光は、日差しに強いブドウやトマトなどもダメージを受ける事があるほどに刺激があるので、強い太陽光に弱い種類が多い観葉植物には大敵です。寒冷紗などを利用して遮光するとよいですが、それができ無い場合は育成ライトを用いて室内で楽しむのが良いでしょう。

 

葉焼けとは

葉焼けとは強い日差しに対して植物の葉が対応しきれずに枯れてしまう状態をいいます。日差しに非常に強いバナナでさえ、日本の日差しで葉焼けをする場合がありますので観葉植物の場合は特に気をつけてください。西日に当たるのが一番良くないですが、真夏の直射日光に当たるとほとんどの植物がダメージを負うので注意しましょう。

 

まとめ

観葉植物とされるものの多くは日陰に強く耐陰性があります。逆に西日などの強い太陽光で葉焼けを起こすので、室内で蛍光灯やLEDの育成ライトなどを利用して栽培すると痛みの心配もなく管理も楽です。

さらには観葉植物には空気を綺麗にする作用があるので積極的にとりいれたいものですね。飾りに利用するだけならフェイクグリーンのほうが虫が湧く心配がないので良いかも知れません。

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