おうちに1つあるだけで、グッとオシャレ感が増す観葉植物。
近年、「インテリアグリーン」という名前で注目され、園芸ショップだけでなく雑貨屋などでもオシャレな植物を見かけるようになりました。
緑が部屋にあると癒される、という方も多いのではないでしょうか。
今回は、部屋をオシャレにしたい!という方や買ったはいいけど育て方がわからない…という方に向けた観葉植物の育て科やのコツを伝授します。
また、暑い夏は外でのガーデ二ングを楽しめない、という場合も観葉植物であれば涼しい室内でお手入れできるのでオススメですよ♪
Contents
植物のお手入れと管理は最低限ここを抑えておきましょう。
植物を育てる上で、最低限抑えておきたいポイントがいくつかあります。
それは、
①水やり
②日当たり(置き場所)
③肥料やりです。
植物は水、光、空気がなければ成長できません。さらに大きく、元気に育てようと思うと栄養も必要です。
基本的な育て方として、まずは3つのポイントを押さえておきましょう。
※時間がない方は、『一般的な観葉植物の育て方基礎|元気な観葉植物を育てるポイント』を参照してみてください
土の表面が乾いたら、鉢底から水が出るくらいたっぷりと与えます。
土の表面に軽く指をあて、土がつかなければ乾いている証拠。お水を欲しがっている状態です。
なんとなく、土の表面が湿るくらいチョロっとあげている人も多いかと思いますが、あまりいいやり方ではありません。
植物の根は水があるところを求めて伸びるので、表面にしか水をあげていない場合根が地表に向かってしまいます。
根の量も少なくなってしまうので、結果的に成長が悪い・水を吸える量が少なくなり枯れやすくなってしまいます。
植物の性質により、たっぷり日が当たる場所、明るい日陰などの好みがあるのはご存知でしたか?
観葉植物のような、室内に置き大きく育ちすぎないほうがいいものは、明るい日陰に置いておくのがいい場合が多いですが、一度購入する際に店員さんに詳しく聞いてみるといいかもしれません。
植物にあった場所に置くことで、元気に育ってくれると嬉しいですよね。
植物は成長の過程で土の栄養を吸収し大きくなります。
つまり、時間が経過した土の中には栄養が少ないということ。
栄養が少なくなってきた植物は下の方の葉っぱが黄色くなり、「栄養が足りてないよ~」とサインを出してくれます。
ホームセンターなどで観葉植物用の肥料などが売っているので、用意をしておくと安心です。
肥料には固形のものや液体のものなど、種類も様々。
その違いなども後ほどご説明しますので、参考にして下さいね。
ここからは、より詳しい観葉植物の育てを見ていきましょう。
先程基本の部分で述べたように、植物が生きるためにはには水が必須です。
実は水やりにもいくつかやり方があります。
皆さんも学校の授業などで一度はやったことがあるであろう、じょうろなどで鉢に水をあげるやり方です。
サボテンなどの小さな観葉植物は、鉢の底から水が流れ出るようキッチンで水やりをするとやりやすいですよ。
一方で、ゴムノキなどの大きな植物はたっぷり水をあげるのは難しいかと思います。
そういう時は、鉢の下の水受け皿にほんのり染み出しているのがわかる程度に水をあげてください。
染み出してくる水には土の中の老廃物なども溶け出しているので、表面にちょろっとあげるだけでは土の循環にもよくありません。
可能ならば、たまにはベランダや浴室に植物を運んでしっかり水をあげるのがオススメです。
また、葉水という霧吹きで葉っぱに水をかけてあげる方法もあります。
特にモンステラなど亜熱帯地方原産の観葉植物は、葉っぱから水分を吸収する力が発達しています。
やり方は簡単!霧吹きで葉っぱの表面がうっすらとしめる程度にシュッとしてあげて下さい。
葉水は葉っぱの乾燥を防ぐだけでなく、表面に積もった埃などを落として光合成を促す役割もあります。
水やりと葉水をうまく組み合わせて、元気に育てて下さいね。
こちらは特殊な水やり方法ですが、おしゃれ植物としてインテリアショップでもよく見かける、「エアプランツ」に必要な管理です。
エアプランツとは、亜熱帯原産の土のいらない植物で、主に空気中の水分を吸って成長します。ジャングルなど湿気の多い場所の植物なので、日本の通常の気候では吸収できる水分が足りません。そこで、バットやボウルなどに水を張り浸けてあげることで、より快適な環境にすることができるのです。
ただし、水に浸けている間エアプランツは呼吸ができないので、最大でも6時間程度を目安にしましょう。
買った当初は形がまとまっていたのに、成長するにつれイメージと違ってきてしまった…ということがあると思います。そんな時は自分で好みの形に仕立てられる、剪定を行いましょう。
難しそうな印象があるかもしれませんが、ポイントを抑えれば簡単ですので、ぜひチャレンジしてみてください。
剪定の時期は、植物にもよりますが成長が活発になる5〜7月頃がオススメです。
また、雨の日など湿気が多い日には切り口から雑菌が侵入しやすくなっていますので、晴れた乾燥している日を選ぶと良いでしょう。
植物用の剪定ばさみなど、切れ味がしっかりしたものを用意しましょう。切り口が汚いと、病気の元となる菌が侵入しやすくなってしまいます。ホームセンターなどで簡単に手に入るので、おうちに1つあってもいいかもしれません。また、剪定前にアルコールなどで刃を消毒しておくと、より病気にかかってしまうリスクを減らすことができます。
変な方向に伸びてしまった枝、ヒョロヒョロと元気のない枝、枝や葉が多く混雑している部分をカットしましょう。
どの植物も、枝の数が多い=栄養がそれだけ必要、ということ。
剪定することで、必要な枝に栄養を成長させより元気にすることが出来る、と言われています。
特に枝や葉が混雑していると、風通しが悪くなり病気や害虫発生の原因となってしまいます。切ってしまうのはかわいそう…と思う方もいるかもしれませんが剪定は植物にとってリフレッシュになるので、しっかり切ってあげましょう。
ただし、剪定しすぎて葉がなくなってしまうと光合成ができなくなってしまうので気をつけて下さいね。
肥料には、植物の成長に欠かせない三大栄養素が含まれています。まずはそれぞれの働きを知る事で、どんな肥料をあげればどのように成長するかがわかります。
肥料の三大要素=①窒素(N)②リン酸(P)③カリ(K)
① 窒素…葉っぱを育てる栄養素。レタスなどの葉野菜を育てるときに多く使用されます。観葉植物も、最近葉っぱに元気がない、黄色っぽくなってきたという時は窒素成分の多い肥料を選ぶと良いでしょう。
② リン酸…花を育てる栄養素。花肥、実肥と呼ばれ、花壇など花をたくさん咲かせたいときやトマトなど実を沢山つけたい時に使用されます。
③ カリ…根っこの成長を促進させる働きがあります。根の成長が良くないと、全体の生育に影響が出ます。植え替えをする際に根っこをチェックして、少ないと感じた際は与えてあげましょう。
肥料の袋にはN:P:K:=3:5:3など栄養成分の比率を書いてあるものが多くあります。最初は観葉植物専用の肥料を買い、よりその植物にあった栄養をあげたくなった場合は参考にするといいですよ。
また、肥料にはこのような固形の置き肥や、栄養剤、活力液などがあります。
こちらもそれぞれ使い分けると植物は喜びます。使い方を見てみましょう。
肥料と聞くと、白や茶色の粒を思い浮かべる方が多いかと思います。
「有機肥料」と「化成肥料」にわけられ、主に原料が有機のもの=たい肥など動植物性のもの、原料が鉱石のもの=石灰やリン酸などとされ、それぞれ特徴があります。
有機肥料は化成肥料に比べにおいがし、カビが発生することが多いので、観葉植物用の肥料は化成肥料である場合が多いです。
ボトルなどに入った液体の肥料もあります。原液が売られており、薄めて使うパターンが多いです。
固形肥料との違いは、「即効性」であること。
土の表面からゆっくりと栄養が染み出す固形肥料と違い、栄養剤は水やりのようにすぐに土にしみ込んでいくので効き目が出るのが早くなっています。
普段は固形肥料を使い、明らかに様子がおかしいなどの時に応急処置として使う場合もあります。
また、サボテンの水耕栽培など、土を使用せず育てている場合など、定期的に栄養剤をあげると安定して成長を促すことができます。
活力剤とは「法律で定められた肥料成分を満たさないものの、植物の生育には影響を与える」ものの総称です。
法的な規制がないため、様々な種類の活力剤が販売されています。
窒素・リン酸・カリの含有量が規定よりも少ないことが多いので、活力剤だけを与えていると枯れてしまうことがあります。
ではどんな時に使うのでしょうか?活力剤は「微量要素」と言われ肥料の三大要素とは違う影響を与える栄養素を補う役割を持っていることが多いです。
活力剤は肥料と併せて使用し、夏バテの防止や根の張りを促進するなど、肥料だけでは補え切れない場合に使用するといいでしょう。人間で例えるなら、肥料=ご飯、活力剤=ビタミン剤といったところでしょうか。
今はスプレータイプで薄めずそのまま使える手軽な活力剤も販売されていますので、園芸売り場など覗いてみると面白いかと思います。
挿し木という言葉をご存知でしょうか?種類にもよりますが、実は観葉植物を家で増やすことが出来るんです。
その方法を一般的に挿し木(挿し芽)と言います。
植物は種から増えるイメージがあるかと思いますが、多肉植物などは挿し木で簡単に増やすことが出来ます。
①新しく芽吹いた、元気な枝を5cmほど斜めにカットします。枝に葉っぱがたくさんある場合は、葉っぱを半分にカットしておくと、水分の蒸発を抑えられるので成功率が上がります。
②枝に水分をいきわたらせるため、コップなどに水を張り1時間程つけておきます。
活力剤の中には、発根促進作用があるものもあるので、水に混ぜておくとより効果的です。
③挿し木(挿し芽)用の土やバーミキュライトなど、水分を含む土に挿します。
④たっぷり水やりをします。明るい日陰で水を切らさないようにしながら管理しましょう。
1週間程でカットした枝から根が生えてきます。
根がしっかりと張るまで待ち、その後生育用の土に植え替えるといいでしょう。
挿し木用の土は肥料分が少なく抑えてあるので、生育にはあまり向きませんのでご注意下さい。
多肉植物の場合はもっと簡単に増やすことが出来ます。
ぽろっと取れてしまった葉っぱをそのまま土の上に置いておくと、次第に根っこが出て新しい葉っぱが出てきます。
定期的に霧吹きで湿らせてあげると、成長も早いですよ。
種まきから植物を育てる際、必要な作業に「間引き」というものがあります。
種をまくとあちこちから芽がたくさん出てきて嬉しくなりますが、一定の場所に密集して芽が出ると、その分栄養を取り合ってしまうので結果的に成長が悪くなってしまいます。
大きく育った芽を残し、弱弱しいものを抜いて健康的に育ててあげましょう。
間引きの時期は、本葉が2~3枚出た頃がオススメです、その頃になると、成長に差が出てどの芽が元気か判断し易くなります。
コツは①大きく元気なものを残す②(そのまま鉢で育てる場合)芽の場所のバランスを考える③株元から引いてあげる、ことです。
元気なものを残すのは当たり前ですが、大きく育った後の事を考えるとバランスも重要なポイントです。
芽の間隔が狭いまま育つと、風通しが悪くなる・葉が重なり合って光合成がうまくできないなどの問題が起きてしまいます。また、風通しの悪さは病害虫の原因になりますので木をつけましょう。
間引く時は株元を持ってそっと引き抜きます。まだ根もそこまで張っていないので、スルッっと簡単に抜けますよ。
何度買っても枯らしてしまう…そんな経験がある方も少なくないはず。植物を枯らさないコツは、買う前にその植物の育て方(難易度)を把握しておくことですが、いざ傷んでしまった場合にはどうしたらいいのか?復活の方法をまとめます。
①葉を取って日陰へ
見た目は枯れていても根っこが生きている場合があります。
まずは葉っぱを全て取り、日陰でゆっくりさせてあげましょう。根っこが生きている場合は、新しい葉が出てくることがあります。
②挿し木、挿し芽をする
植物を増やすことができる挿し木は、傷んでしまった植物から新しく元気な株を作るのに有効です。
調子が悪くなってきたな…と思ったら、ひとまず挿し木をして予備を作ることができます。
③傷んだ根を取り植え替える
水やりのしすぎなどで根っこが腐ってしまうことがあります。
一度鉢から取り出し、根っこの様子を確認してみましょう。腐った根っこはブヨブヨしていたり、色が変色しています。
腐った根を切り離し、元気な根っこだけにして新しい土で植え替えると復活する場合があります。
その際、枝や葉などもカットし少なくすると、必要な養分が減るので復活が早くなりますよ。
年末年始やお盆など、どうしても家を空けなければならない時がありますよね。
水が足りなくて枯れてしまわないか、心配な方も多いかと思います。留守中の植物の水やりは、工夫することで、不安が解消されます。
①水受け皿に水を張っておく
一番簡単な方法です。水を張っておくことで下部から水が吸収され、水切れを防止してくれます。
ただし、水受け皿のサイズも様々ですし、夏場の窓際の植物は水を必要としますので数日程度の外出ではいいかもしれませんが長期の不在には少し心もとないかもしれません。
②ペットボトル+給水器
家にある500mLや2Lのペットボトルに、プラスチックの給水器をつけるパターンです。給水器は100円均一でも手に入ります。
給水器付のペットボトルを土に挿しておくことで、定量が土に補給され枯れるのを防いでくれます。
また、給水器は普段から水やりの管理をするのにも使用できるので、1つあると便利かもしれません。
③保水剤を使う
土に混ぜるタイプの保水剤も便利です。
粒状で、ジェルのように水を含み栄養も逃がしにくくなります。植え込み時に混ぜておいてもいいですし、今植わっている土の表面に穴をあけ、そこに保水剤を注いで水をかけてあげるだけでも大丈夫です。
一回の水やりで10日程持つようになるものもあります。
長期不在の際は、これらを組み合わせて管理すると安心です。
場合によって使い分けて、帰ってきたときにガックリ…なんてことを減らしたいですね。
植物は生き物なので、愛情をかけてお世話をすることが必要ですが、その分愛着も沸きます。
水やり、剪定、植え替え、肥料など、様々な作業を通して発見も多いはず。
育て方のコツをつかんで、素敵なグリーンライフを送ってください!
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