部屋や庭に置く観葉植物の中には、犬や猫に対し毒性をもっているものが多くあります。中には噛んでしまうと命に危険が及ぶほど毒性の強いものも。
好奇心で噛んでしまう犬、尖った葉っぱを食べる習性をもつ猫と、それぞれ本能的に毒のある植物を噛んでしまうことが考えられます。そのため、観葉植物が犬猫に与える毒について、飼い主がよく理解し配慮してあげてください。
当記事では、犬猫それぞれに毒のある観葉植物の説明、そして置いても問題のない無害な観葉植物の紹介をします。
【目次】
ガジュマルは観葉植物としては比較的サイズの小さい熱帯植物です。犬猫に対する毒性がないので安心して室内に置くことができます。葉っぱが丸いので猫が毛玉吐きに使うことも少ないです。
ただし、サイズが小さいことから、鉢ごと犬や猫が倒してしまう可能性に注意する必要があります。
サンセベリアはアフリカ地方の多肉植物です。乾燥に強いので水やりの手間が少なくて済み、犬や猫に対する毒性もありません。
ただし、葉の先が鋭くとがっているので猫の毛玉吐きには思う存分使われてしまいます。猫のいる家のサンセベリアはすべての葉の先がちょっとだけ千切れるおそれがあります。
シュロチクは細長い葉を持つ優雅な観葉植物で、毒性がなくペットが誤って噛んだり食べたりしても、健康に害を及ぼす可能性が低いです。
シュロチクの葉は細長く、先端が尖っています。ペットが遊んだり噛んだりすると、口や目を傷つける可能性があるので注意が必要です。
パキラは、つやのある葉が5枚まとまって広がるおしゃれな見た目と育てやすさでグリーンインテリアとして人気の観葉植物です。
ある程度日光を必要とするので、レースのカーテン越しに日があたる窓の近くに置くとよいでしょう。水やりは土の表面が乾いてからたっぷり与え、冬はやや控えめにします。2~3年に1度は一回り大きな鉢に植え替えましょう。
毒性はなく、仮にペットが食べても健康上の問題が出ることはありません。ただし、生長が早く、2m近くになることがあります。大型のものは猫が飛びついて倒したり折ってしまったりすることがあるので、注意しましょう。
エバーフレッシュは、幹は細く、明るいグリーンの小さな葉が葉柄にたくさん連なって付く涼し気な印象の観葉植物です。環境が合えば、ポンポンのような愛らしい花を咲かせます。
水分の蒸発を防ぐため、夜になると葉を閉じる習性がある点が大きな特徴です。日光を好むので、室内でも明るい場所で管理しましょう。春から秋にかけては土の表面が乾いたら水やりします。冬は休眠期のため、水やりは少なめで構いません。
毒性がないので、ペットが食べても心配はいりません。猫を飼っている場合は大きいと飛びついたり登ろうとしたりする可能性があるので、小さめサイズを選ぶのがおすすめです。
アレカヤシは、明るい緑色の細長い葉を放射状に広げる姿が特徴で、南国テイストが感じられる観葉植物です。原産地では10mほどの高木に生長しますが、観葉植物として育てる場合は剪定したり根を切って植え替えたりすることで高さが調整できます。
室内では、日当たりがよく暖かい場所で管理しましょう。乾燥気味に育てることが大切なので、水やりは土の中まで乾いてからにします。
葉に毒性成分は含まれていません。ただし、葉が細く風で揺れるので、ペットが好奇心を刺激されてじゃれたり葉先をかじったりする可能性があります。見栄えを気にする方は注意しましょう。
ケンチャヤシは、濃い緑の細長い葉を上に向けて伸ばす姿が特徴的な観葉植物です。アレカヤシと雰囲気が似ていますが、ケンチャヤシのほうが葉が大きくて緑が濃く、より南国風の印象を与えます。
置き場所は、レースカーテン越しの柔らかな日があたる暖かい場所が好適です。春と夏は土の中まで乾いてからたっぷり水やりしましょう。生長が鈍る秋冬は水があまり要らないため、土が乾いてからさらに2、3日後に水やりします。
ペットが揺れる葉をかじったりじゃれたりする可能性はありますが、犬や猫にとって毒となる成分は含まれていないので心配は要りません。
ピレアは、独特の斑入り葉が特徴的な観葉植物です。品種によって葉色や斑の入り方、形が異なるので、部屋のテイストや好みに合ったものが選べます。
室内では明るい場所で管理しましょう。光の方向に傾く性質があるため、まんべんなく日があたるように定期的に鉢を回すと姿が整いやすくなります。春夏は土の表面が乾いたら、秋冬は中まで乾いたら水やりしましょう。
小ぶりであまり置き場所を選ばず毒性もないため、ペットがいても育てやすい観葉植物です。
テーブルヤシは細長い葉を伸ばすヤシ科の植物です。アレカヤシと似ていますが、分類される属が違います。耐陰性があるので暗い場所でも育ちますが、元気に育てるためにはなるべく日当たりのよい場所で管理しましょう。
春夏は土の表面が乾いてから、秋冬は土の表面が乾いてさらに2、3日経ってから水やりします。ヤシ科の多くの植物同様、毒性はありません。
カラテアは、しま模様が入った大きな葉が特徴的な、存在感のある植物です。夜になると葉同士が内側に閉じる性質があり、眠るような姿には愛嬌が感じられます。多くの種類があり、品種によって葉の模様や形はさまざまです。
室内ではレースカーテン越しに柔らかい日があたる窓辺などで管理しましょう。春から秋にかけては土の表面が乾いたら、冬は土が乾いてさらに3日ほどしてからたっぷり水やりします。
動物にとって毒になる成分が含まれないため、ペットが食べても中毒になることはありません。
犬にとって有害な植物は数百種類以上あると言われています。以下では、犬にとって毒性の強い植物の中でも、観葉植物として特に使われやすいものを紹介します。
ポトスは世話がしやすく生命力も強い観葉植物ですが、犬にとっては有害です。犬がポトスを噛んでしまうと口の中を中心に炎症が広がり、発熱や吐き気などの症状も現れます。
クリスマスの装飾としてよく使われるポインセチアですが、これも犬には有害です。ポトスと同様、口周りに炎症が起き、吐き気や下痢を催します。身体の小さな犬であれば命を落としてしまうこともあります。
自宅はもちろん、友達の家でのクリスマスパーティーに犬を連れて行く場合なども気をつけましょう。
一見身体に良さそうなアロエですが、犬にとっては命に関わる有毒植物です。嘔吐や下痢のほか、腎臓にも悪影響を与え血尿が出る場合もあります。
ユリ科の植物といえばユリ、ヒヤシンス、チューリップなど身近で誰でも知っているような植物が並びます。しかし、ユリ科の植物を犬が噛んでしまうと、腎機能に深刻なダメージを与えてしまいます。
ユリ科の植物は観葉植物の中でも犬にとって特に毒性が強く危険です。犬が生活する家や庭にはユリ科の植物をできるだけ置かないことが望ましいです。
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猫は肉食動物なので、食べ物として積極的に植物をかじることはありません。
ただし、猫には毛玉吐きという習慣があります。先端の尖った草を食べて胃に入れることで、わざと吐き気を催し胃の中の毛玉をはき出すというものです。尖った草を見つけるとつい食べてしまうのが猫の習性なので、毒性がありとがっている観葉植物に注意を払う必要があります。
以下では、猫にとって有害となる観葉植物の種類をいくつか紹介します。
観葉植物として使われやすいポトスは犬だけでなく、猫にとっても有害です。
ポトスを部屋の高い所から配置するインテリアをよく見かけますが、猫にとっては格好の獲物です。ぴょんと飛び乗ってポトスの葉っぱの先端をかじって飲み込んでしまいます。ぶら下げるタイプの配置もやはり猫がじゃれようと飛びついてしまうため注意が必要です。
症状は犬と同様で口の中の炎症や吐き気などです。
ポトスと同じく葉っぱの先端が尖った観葉植物であるスパティフィラム。世話が簡単なうえに株分けによってお手軽に増やせることから観葉植物として人気です。
しかし、猫の毛玉吐きの対象になることから、猫のいる室内での栽培はできるだけ控えた方が良いでしょう。ポトスと同じく、口の中に炎症を起こしたり、吐き気を催したりします。
鋭く尖ったアロエの葉っぱもまた猫の毛玉吐きに使われます。アロエの毒性によって引き起こされる症状は下痢や体温低下などです。人間にとっては身体に良い作用を与えてくれるアロエですが、猫にとっては有毒となるため部屋に置くのには適していません。
犬と同じく、猫にとってもユリ科の植物は猛毒です。食べてしまうと数日の間に腎臓に深刻なダメージが加わり、最悪命を落としてしまうことにもつながります。
一刻も早く動物病院へ駆け込んでください。その際、食べた観葉植物の名前、食べた部位をメモしておき、医師に伝えられるようにしておくことが重要です。
植物は葉や花など部位によって毒性が違うため、医師が治療する際の参考になります。
ペットがいる部屋で観葉植物を育てる場合、触って遊んだり誤って食べたりしない工夫が必要です。たとえ毒性成分を含まない植物でも、多くの量を食べると消化不良などを引き起こす可能性があるためです。また、じゃれつくなどして鉢を倒すと後片付けも大変でしょう。
ここでは、大切な愛犬や愛猫が安全に暮らすためにすべき工夫について解説します。
観葉植物は、ペットの届かない場所に置きましょう。犬を室内で飼っている場合は、高い場所に置いて周囲に足場になるものがない状態にするか、ハンギングバスケットに入れて天井から吊るせば届きません。
猫の場合は高い位置に設置しても天井から吊るしても飛びかかれるので、防護柵を設置するなどの方法が効果的です。ペットの性質にあわせ、触れない場所で観葉植物を管理しましょう。
犬や猫は、胃の調子が悪いときに草を食べることがあります。草で胃に刺激を与え、吐き出してすっきりするためです。ペットが観葉植物を食べたがるなら、胃に不快感を覚えている可能性があります。
また、運動や遊びが足りなかったり落ち着ける居場所がなかったりなど、ペットなりにストレスを感じている場合も、植物を食べようとすることがあります。
きちんと栄養管理し、ストレスが溜まらないよう生活を見直すことも誤飲防止に有効です。
観葉植物とは別に、猫草などの食べても問題ない植物を用意するのもよいでしょう。猫草はえん麦や小麦、大麦などのイネ科植物の総称で、毛玉を履きやすくしたり食物繊維やビタミンを摂取しようとしたりして猫が好んで食べると言われています。
名前は「猫草」ですが、犬が食べても問題はありません。柔らかく食べやすい猫草を用意すれば、観葉植物から気をそらせるでしょう。
ただし、与えるのは猫草の若葉だけにし、硬くなった葉は与えないようにします。食べても害はないといっても、猫草を与えすぎないようにすることも大切です。食べすぎは消化器官に負担を与え、嘔吐や下痢を招くおそれがあります。
外からの風やエアコンから出る風にあたって、観葉植物の葉がゆらゆらと揺れないようにすることも大切なポイントです。葉のゆらゆらした動きが、特に猫の狩猟本能を刺激して、飛びついて倒したり、かじったりするおそれがあります。
空気の入れ替えで窓を開けるときは、ペットを別の部屋に移動させると安心です。エアコンの風があたると葉が乾燥して植物自体にもよくないため、空調があたらない場所に移動させましょう。
犬や猫などのペットがいる部屋に観葉植物を置く場合は、犬や猫によって毒になる成分がない観葉植物を置くことが重要です。一般的に育てやすいとされるガジュマルやパキラなども毒が含まれていないため、観葉植物を育てるのが初めての方におすすめです。
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