観葉植物を育てると家の中にグリーンが広がり、お部屋のイメージががらりと変ります。リラックス効果のあるグリーンは家の中に安らぎももたらしてくれます。
そんな観葉植物、実は病気にかかることがあるんです。今まで原因がわからずに枯れてしまった経験はありませんか?植物が枯れるには必ず原因があります。
今回は観葉植物に発生する病気について紹介します。また病気になったときに、素早く対応できるように対策や予防法も紹介します。
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観葉植物はもともと熱帯、亜熱帯などに生えている植物が多いです。
そんな観葉植物にとって、湿度や気温など日本では生活環境が大きく違います。冷暖房による乾燥や、日本の冬場の寒さは自生地との大きな違いと言えます。
しかしそんな日本でも観葉植物にとって生活しやすい環境を整えてあげることで、観葉植物は健康に成長できるんです。
健康であれば病気にも強くなります。逆に不健康であれば病気の発生確率も高くなるものです。生活環境が直接の病気の原因ではない場合もありますが、植物が弱っていると病気になりやすいと言えるのです。
また季節の変わり目や、極端な温度変化などの最近の異常気象は栽培するにあたって注意する必要があります。このような時期は温度や湿度が急激に変動するので、病気の発病率が高くなります。
ここでは病気の発生原因・症状を室内の環境整備の点も含めて説明します。
病気が発生にはいろんな要因が考えられます。風通しの悪い部屋、害虫の排泄物など、人間と同様に様々な要因が存在するのです。
なかでも色々な場面で発生しやすい、カビによる病気を紹介しましょう。
まず一般的な家庭の室内では、冷暖房の影響で乾燥気味になっていますが、もともと観葉植物は、熱帯や亜熱帯の湿度の比較的高い地域に生息しています。
そのような室内で、乾燥ぎみで気温が高い時期は、うどん粉病が発生しやすくなります。また逆に高温で多湿の環境では、炭疽病が発生しやすくなります。
それぞれカビの一種で、環境の違いによって植物に付着して病気が発症します。カビにもいろんな種類があり生育しやすい環境があるのです。
カビは胞子を飛ばして病気の範囲を広げていきます。そのため病気はどんどん蔓延していきます。
次に細菌による病気を紹介します。
夏など梅雨時期など、高温でじめじめした時期に発生するのは軟腐病です。
逆に冬場など低温で湿度が高い状況では灰かび病が発生します。細菌が原因ですが灰色のカビが付いたような症状が出るためにこのような名前がついています。
このように季節によって、温度と湿度が病原菌やカビにとって最適な状態になると、室内でも病気が発生しやすい環境になり、それが原因で病気が発生しやすくなります。
観葉植物にはいろんな病気がありますが、その中でも日本で観葉植物を栽培した際に発病する確率が高いと思われる病気の症状を紹介します。
うどん粉病は、白い粉(カビの胞子)が植物の表面に付着し、まるでうどん粉を植物に振りかけたような症状からこのような名前がついています。
炭疽病は、観葉植物の葉に発症します。葉っぱに黒斑のような斑点が出てきたら要注意です。葉っぱに出た黒斑はいずれ広がり、葉全体が枯れた状態になります。
軟腐病は、茎から発症します。茎から枯れる症状が出てきた場合は注意しましょう。さらに茎の枯れた部分からは腐敗臭を放ちます。
灰かび病は観葉植物の全体に発生します。葉や茎に墨汁を紙に垂らしたようなぼんやりとした斑点ができると要注意です。斑点はいずれ灰色のカビのようなものに覆われます。
ここで説明した病気はあくまで一例です。一般的に葉っぱがくるくると巻いたり、葉に斑点が出来たり、急に植物の勢いが弱まったりしたときは病気の兆候なので、注意深く観察しましょう。
病気によって対処方法が違うために、どんな病気かを見極めることが必要です。よく似た症状もありますが、じっくり観察するとそれぞれの症状に特徴があります。
症状を見ても分からないときはまず患部を取り除いて廃棄しましょう。早期に廃棄することで病気の蔓延を防ぐことが出来ます。
病気を発見したら消毒を行いますが、病気によって農薬の種類も違います。また希釈倍率や使用方法は農薬のラベルに細かく記載されています。確認して正しく農薬を使いましょう。
ここではよく発症する病気に対応するための殺菌・消毒方法を紹介します。
うどん粉病はその名の通り、うどん粉を振りかけたような症状がでます。
一般的に乾燥状態で気温が高いときに発生しやすくなります。主に葉に白い粉が発生し、白い粉の部分にカビが住み着いています。
最初は白い粉が斑点状に発生しますが、これがどんどん広がり、葉全体が白くなります。そして最終的に枯れてしまいます。
うどん粉病は早期対処が必要です。なぜなら、葉っぱ全体が白くなると、植物の成長に必要な光合成が出来なくなり、成長が抑制されてしまうからです。
またうどん粉病はカビが原因の病気です。カビは胞子を飛ばして成長するので、葉が白く覆われると茎などにも胞子が付着して病気が発症する場合があります。できるだけ葉全体が白くなる前に対処をしてください。
対処方法としては初期の段階であれば、葉に白い斑点を発見した時点でその葉を除去しましょう。
それでも病気の進行が止まらないようであれば農薬を散布します。散布方法は葉の裏にもしっかりと農薬が付着するように丁寧に散布しましょう。
治療薬としてカリグリーンは使いやすい農薬です。成分は重曹なので安全に使うことができます。またべンレートは予防薬としても使用できます。
黒い斑点が葉に現れると炭疽病の可能性があるので要注意です。
この黒い斑点をよく観察すると同心円上の紋状の場合が多いです。
炭疽病は多湿の時期に発生しやすいため、主に梅雨明けの湿度の高い高温時に発生しやすいです。
炭疽病は葉ばかりではなく、茎にも発生します。発生した部分は完全に枯れてしまいます。
そのため例えば茎に発生した場合は、茎にある導管や師管も枯れてしまい植物全体が枯れてしまう場合もあります。
葉だけの発症であれば対処できますが、茎に発生した場合は、対処が難しくなります。そんな事態を避けるためにもやはり早期発見早期対処が大事ですね。
発病初期に斑点が出た葉は除去しましょう。二次感染を防ぐために除去した葉はその場に放置せずに袋などに密閉して廃棄しましょう。
炭疽病には、予防薬と治療薬の二種類の農薬があります。予防薬としてはオーソサイドがあります。
一般的に炭疽病が発症しやすい初夏の時期前に定期的に散布して消毒・殺菌すると予防できます。また治療薬としてはベンレートも効果がありお勧めです。
名前の通り灰色のカビのようなものが付着する症状が現れた場合は灰かび病です。
初期症状として墨汁を紙にたらしたような黒斑が出ます。この黒斑が出た部分は、いずれ広がって枯れます。
そして枯れた部分が、最終的に灰色のカビのようなものに覆われます。
一般的に灰かび病は、気温が低い時期に湿度が高いと起こりやすくなります。冬の時期や、春先に水をやりすぎたり、葉水をスプレーでかけすぎると発生の危険が高まります。
灰かび病も他の病気と同様に、初期の段階で発症した部分の除去で、病気の広がりを防ぐことが出来ます。しかし灰かび病の場合、灰色のカビが付着すると農薬で改善することはなかなか難しいです。
まず灰かび部分を除去後、患部と消毒しましょう。消毒農薬としては予防効果と治療効果を備えたゲッター水和剤がお勧めです。
室内のインテリアとしてのグリーンに、枯れた部分や黒斑が現れるとなんだか心配になりますね。そこで上手に管理をして綺麗なグリーンをキープして、グリーンライフを楽しみたいですね。
基本的に植物の病気は、植物体が弱っているとき、弱っている部分に発病します。ではどんな時に植物は弱るのでしょうか。
まず最初に考えられるのは、冷暖房による乾燥です。
観葉植物は基本的に湿度の高い場所を好みます。また乾燥気味な状態で、冷暖房の風が直接当たる場所に観葉植物を配置していると、植物体自体が弱り葉が枯れてきたりします。
次に水のやりすぎです。水のやりすぎで根が腐ってしまうと、養分・水分が全体に行きわたらなくなるので植物体が弱り最悪枯れてしまうこともあります。
最後に考えられるのが太陽の光の強さです。
多くの観葉植物は大きな木の下で、木漏れ日ほどの光で自生しています。そのため直射日光では光が強すぎて葉が焼けてしまう場合があるんです。
これらのことから植物にとって生活しやすい環境を整えることが、植物を弱らせない秘訣です。
植物が弱らないで元気だと、病気の予防にもなります。ここではグリーンができるだけ病気にならないためにどのように対策をすると良いか説明します。
植物の予防は、農薬を使うこともできますが、人の出入りする室内で育てる観葉植物に、あまり農薬は使いたくないですよね。
出来る限り植物の生育環境を整えて、病気にかかりにくい丈夫な植物体を育てることで、農薬に頼ることなく病気を予防できます。
ここでは前述した植物を弱らせないための環境整備を具体的に説明します。
まず室内での観葉植物は冷暖房の効いた状態で育てている場合が多いと思います。
多くの観葉植物は熱帯や亜熱帯で、平均気温18度以上の湿度の高い環境で生育しています。そのために冷暖房が常に稼働している部屋での湿度が低い状態では生育が悪くなります。
こまめにスプレーで霧吹きしたり、よく似た環境を作ってやると良い生育をします。ただし冬の寒い時期に霧吹きしすぎると逆に病気が発生しやすくなるため、様子を見ながら霧吹きは行ってください。
次に水管理です。乾燥気味の室内では、水管理も注意が必要です。
水をやりすぎると根腐れを起こしてしまうんです。根腐れを簡単に見つける方法は、まず根の色を見てください。
根が茶色になっていると根腐れの可能性があります。また根が腐って腐敗臭が土からしてくると根腐れが起こっている兆候です。
対策として、水はけの良い土にかえることが良いです。土を変え、冬場の根の動きが悪い時期は、極力水やりを避けることで根腐れ対策ができます。
最後に太陽の光の強さです。
日本で販売されている観葉植物の多くは、ジャングルの大木の下で自生している品種が多いです。
そのため直射日光ではなく、柔らかな木漏れ日ほどの光の強さが最適です。具体的にはレースカーテン越しほどの柔らかな光です。
直射日光が当たってしまう場所での栽培の場合は、簾などで影を作ってやることが必要です。
また一方で植物によっては光の強い環境を好むものもあるので、このような場合も同様に、自生していた地域の環境に近づけてやるように心がけましょう。
これらのことに加え、まめに剪定をしてやると風通しが良くなります。風通しが良くなることで病原菌が付着しにくくなり、病気の予防になります。
また枯れた葉や、土に落ちた葉はこまめに掃除しましょう。そのまま放置しておくと病原菌の恰好の住み家になり、病気が蔓延してしまう場合があります。
これらの環境をしっかり整えてあげることで病気は大きく減らすことが出来ます。
今回は観葉植物に発生する病気について説明してきました。
実際に観葉植物はいろんな種類があってそれぞれが特徴のある生育をします。
そのために一般化して予防方法を説明することは難しいです。購入先などで購入した植物の生態はしっかり確認して育てるようにしましょう。
病気の対策は早期発見、早期対処が基本でどのような植物でも対応できます。またできるだけ自生地に似た環境を整え、病気にかからない強い植物を育てることが出来ると良いですね。
このような予防対策をしても病気が広がる兆候がある場合には、農薬でしっかり殺菌・消毒して病原菌を退治しましょう。
病気はじわじわ広がっていくものが多いので丁寧に散布して広がりを抑えましょう。また農薬には予防薬と治療薬がありこの二つを使い分けることも大事でしたね。
この記事を読んで、病気の対処法をしっかりと理解して、何かあったときに安心して対応できるようになっていただけると幸いです。
綺麗なグリーンに囲まれた、グリーン生活を楽しんでください!
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