観葉植物をインテリアとして楽しみたいものの、害虫が発生すると聞いて諦めている方もいるのではないでしょうか。観葉植物は育て方によっては害虫を発生させてしまうこともありますが、ちゃんと育てれば虫の発生を抑えられます。また、もともと虫が発生しにくい観葉植物の種類もあります。
当記事では、観葉植物に害虫をつけない育て方と実際に付いたときの対処法、また虫がつきにくい観葉植物の種類を紹介するため、ぜひ参考にしてください。
観葉植物を部屋で育てたいものの、虫がわくのが心配で諦めている方は少なくありません。虫の発生がどうしても心配な場合は、虫がつきにくいタイプの観葉植物を選ぶとよいでしょう。
ここでは、虫がつきにくい観葉植物のおもな特徴を紹介します。
虫がわきにくい観葉植物の特徴として、葉が分厚いことが挙げられます。植物につく害虫の多くは、葉や茎を食害したり吸汁したりして栄養を吸い取ります。葉に厚みがある場合、かじったり傷つけて汁を吸ったりしづらいため、虫が好みません。
また、害虫の中には、孵化した幼虫がすぐに餌にありつけるように、葉に卵を産み付けるものがいます。分厚い葉は孵った幼虫がかじれないため、卵を産み付ける場所として適していません。
そのため、葉が分厚い観葉植物にはあまり害虫がつかない傾向にあります。
葉が硬い観葉植物も、害虫の多くが避ける傾向にあります。分厚い葉と同じで、硬い葉もかじったり傷つけて吸汁したりしづらいためです。
硬い葉は表面に厚いクチクラ層を形成しているケースが少なくありません。クチクラ層とは、病原菌・害虫の侵入や水分の過度の蒸発を防ぎ、葉を守る働きをしているワックス状の薄い膜です。植物の種類や育ってきた環境によってクチクラ層の厚みは異なり、厚いほど害虫の攻撃から身を守る効果も高くなります。
そのため、葉が硬い観葉植物は虫がつきにくい傾向にあります。
植物の中には、ハーブなど、独特の香りを発するものがあります。人間には良いと感じられる香りを嫌い、虫があまり近寄らないケースは少なくありません。香りに含まれる成分が虫にとって不快なものであるためです。
代表的な虫が嫌がる香り成分には、シトラールやシトロネラ―ル、フェノール類などがあります。市販の虫除けグッズにも利用されている成分です。香りを発するメカニズムはまだ明らかになっていないものの、虫害を受けないための植物の自己防衛機能と考えられます。
香りのある観葉植物を育てれば、虫がつきづらいだけでなく、観賞したりおしゃれな雰囲気を演出したりできる上に、良い匂いも楽しめます。
植物の中には、葉や茎が傷つくと液体を分泌する習性をもつものがあります。分泌する液体には虫が嫌がる成分が含まれていることが多いため、あまり寄りつきません。
一部の植物が分泌する液体は、ペットや人の肌にも影響を与えるものがあります。皮膚が弱い方が素手で触るとかぶれたり炎症を起こしたりする恐れがあるため、お手入れの際は注意しましょう。
「観葉植物は育てたいけれど害虫の発生が心配」という方は、まずは虫がつきにくい品種を育てるとよいでしょう。室内で虫が発生するリスクを下げられます。
ここでは、虫がつきにくいおすすめの観葉植物を10個紹介します。
上に向かって鋭く伸びる葉がシャープな印象の観葉植物です。葉の縞模様も美しく、インテリアグリーンとして人気があります。葉が肉厚で硬いため、虫があまりつきません。
室内では、日当たりの良い場所で管理しましょう。葉焼けを起こすことがあるため、直射日光が当たらないよう注意してください。乾燥気味に育てることがポイントで、春夏は土の中までしっかり乾いてから、秋冬は土が乾いてさらに数日してから水やりしましょう。
深い切れ込みが入った独特の形状の葉が特徴で、モダンな印象を与える観葉植物です。葉に厚みがあって丈夫なため、虫があまりつきません。
耐陰性があるため日陰でも育ちますが、日に当てたほうがきれいな形に整います。春夏は表土が乾いたら、秋冬は水分を感じなくなってさらに数日してから水やりしましょう。乾燥防止と虫除けのため、霧吹きで葉に水をかける葉水をするのもおすすめです。
濃い緑の艶やかな葉が手のひらを広げたような形でつく観葉植物です。葉が厚くて硬く、表面がなめらかでかじりづらいため、虫があまり発生しません。
耐陰性はありますが日光を好むため、なるべく日当たりの良い場所で管理しましょう。水やりは春から秋にかけては表土が乾いてから、冬は土が乾燥して数日経ってからにします。生長が早いため、サイズを抑えたい場合は生育期に剪定しましょう。
ツヤのあるバーガンディ色(深みのある赤紫色)の葉をもつ、エレガントな雰囲気の観葉植物です。フィカス属は葉が肉厚で、傷つけると白い樹液が出てくることから、虫が避ける傾向にあります。
耐陰性があるため室内でも元気に育ちますが、あまりに暗い場所は避け、なるべく明るい場所に置きましょう。春夏は土の表面が乾いてから水やりし、水切れに注意してください。秋冬は週に1~2回の水やりで十分です。
パキラは楕円形のきれいな緑の葉を手のひら状に広げる姿が特徴です。観葉植物として流通しているものは、幹がねじれたものや朴仕立て(太い幹から葉を芽吹かせたスタイル)などさまざまな樹形があります。枝葉が密集しにくく風通しが良いため、虫がつきにくい傾向にあります。
日陰でも育ちますが、日当たりの良い場所で管理すると元気に育ちます。水やりは土が乾いてからにし、乾燥気味に育てましょう。よく生長するので、定期的に剪定してください。
ガジュマルは幸運の木としても知られています。ユニークな見た目の太い幹に、ツヤのある濃緑色で革質な葉をつけます。葉が肉厚なため、虫があまりつきません。
日の当たる場所で管理し、土が乾いたら水やりしましょう。葉が密集しやすい個体の場合、じめじめした場所に置くと虫がつくことがあります。枝葉を剪定して通気性をよくし、風通しの良い場所で管理しましょう。
シュロチクはすっきりと伸び、葉を横に広げる観葉植物です。葉は細くて薄いものの、硬いため虫があまりつきません。
室内の半日陰で管理し、葉焼けに注意してください。日光不足で元気がなくなったときは、レースカーテン越しに日光浴させましょう。水やりのタイミングは、春夏は土の表面が乾いてから、秋冬は乾いて数日してからです。乾燥に弱いため、空気が乾く冬は水やりの際に葉水もするとよいでしょう。
美しい葉が楽しめる観葉植物で、白やラベンダーの斑が入るもの、葉裏や茎が紫になるものなど豊富な種類があります。葉に厚みがあり、虫があまりつきません。
室内の明るい日陰や日当たりの良い場所で管理しましょう。日光が弱いと徒長しやすくなります。水やりは春から秋にかけては土が乾いたらにし、冬は乾燥気味に育てましょう。
葉が茂って蒸れると虫がつくことがあるので、適度に間引いて風通しを確保してください。
丸やハート形の愛らしい葉をつける姿が可憐な観葉植物です。虫が嫌うシトロネラ―ルやシネオールなどの香り成分をもつため、虫があまりつきません。
日当たりと風通しの良い環境を好むため、室内で管理する場合は、週に数回は外に出して日光と風に当てましょう。水やりは乾燥気味にすることがポイントで、春夏は表土が乾いたら、秋は土の中まで乾いたら水やりします。冬は鉢土が乾いてさらに数日経ってからにしましょう。
サボテンは柱型や玉型、うちわ型などさまざまな形があり、刺座をもつ多肉植物です。肉厚で刺があるものも多く、養分の少ない土で乾燥気味に育てるため、虫が好みません。
直射日光が当たらない日当たりの良い場所で管理しましょう。水を与えすぎると根腐れを起こすので、乾燥気味に育てることが大切です。春から秋は土が乾いて数日してから水やりします。冬の水やりは1か月に1度のペースで問題ありません。寒さに強い品種もありますが、基本的に冬は室内の暖かい場所に置き、日がしっかり当たるようにしてください。
室内で観葉植物を育てていても、虫が発生することがあります。多くの場合、虫は以下のようなルートで侵入し、植物や土について繁殖します。
ここでは、特に観葉植物につきやすい害虫の特徴と対処法を解説します。
ハダニはクモの仲間です。葉につくと口針を刺して吸汁するため、表面にぽつぽつと小さな斑点ができます。非常に小さい上に葉裏につくことが多いため、発生に気づかず見過ごすケースも少なくありません。放置していると葉の全体が白っぽくなり、株が弱ります。
発生に気づいたら、早めに以下の方法で対処しましょう。
大量発生すると袋状に巣を作ることがあり、その場合は殺虫剤を散布してもあまり効果は期待できません。
コバエは特定の種類のハエの名称ではなく、ショウジョウバエやノミバエなどの小さなハエの総称です。観葉植物ではコバエがわきやすい傾向にあります。植物を食害したり吸汁したりすることはなく、土の有機質を餌にします。
発生したときは、以下の方法で対処しましょう。
カイガラムシは多くの種類が存在し、成虫は殻やロウ状・粉状の物質で全体が覆われている点が特徴です。吸汁して株を弱らせるだけでなく、べたべたした排泄物によってすす病を媒介することもある厄介な害虫です。
成虫は殺虫剤が効きづらいため、なるべく成長する前の段階で駆除しましょう。おもな方法は以下の通りです。
観葉植物につくことはあまりないものの、まれに開けた窓から入ったり出入りする人の服に付着して室内に入ったりして増えることがあります。吸汁して株を弱らせるだけでなく、分泌物ですす病を誘発したりウィルス病を媒介したりすることもあります。
おもな対処方法は以下の通りです。
トビムシは小さな虫で、名前の通り土の上をぴょんぴょんと飛びまわります。土に発生し、有機物や土中の菌を食べるため、観葉植物にとっては環境を改善してくれる益虫です。放置しても株が弱る心配はありません。
とはいえ、いくら益虫でも、小さな虫が室内をぴょんぴょん飛ぶのは気になるでしょう。駆除するには、以下のような方法があります。
コナジラミはごく小さな虫で、葉裏に棲みついて吸汁し株を弱らせます。被害が進むと葉緑素が抜けて葉が白っぽくなり、排泄物ですす病やウィルス病を媒介します。雌だけで繁殖できる単為生殖の性質があり、あっという間に大量発生するため、気づいたらすぐに駆除しましょう。
以下のような方法があります。
少しでも残っているとまた繁殖するため、発生するたびに何度でも殺虫剤をかけて徹底的に駆除することが大切です。
観葉植物を購入したときは、葉に着いたほこりやゴミを柔らかい布などで拭き取り、きれいにしてから室内に入れましょう。販売店内で虫がつき、葉の裏側や茎などに潜んでいることがあるためです。土中に虫や卵がいる可能性もあるため、土に混ぜる殺虫剤を使うより安心できます。
購入の際は葉がみずみずしくて色の良いものを選び、虫やカビがついていないか入念にチェックすることも大切です。
虫の発生を防ぐためには、ほかにもいくつか注意すべきポイントがあります。ここでは、特に注意すべき点について解説します。
水やりして受け皿に溜まった水はそのままにせず、すぐに捨てるようにしましょう。水が溜まっていると卵を産む害虫がいるためです。カビや悪臭が発生したり、根腐れを起こしたりする恐れもあります。
水を捨てるだけではなく、定期的に水洗いし、受け皿を清潔に保つことも必要です。
定期的に葉水をすることも有効です。水に弱いカイガラムシやハダニがつきにくくなります。また、葉の乾燥を防いでみずみずしい状態を保ちやすくする効果もあります。
虫は葉の裏側につくことも多いので、葉の表面だけでなく裏面にも水をかけましょう。
植物の多くは日光を好む一方、害虫の多くは日当たりの良い環境を苦手とします。そのため、観葉植物は日の光が入る明るい窓際で管理するのがおすすめです。観葉植物がよく日を浴びて健やかに育つと、虫に対する抵抗力もつきます。
ただし、強い日光を浴びると葉焼けを起こす恐れがあるため、レースのカーテン越しの柔らかい日を当てるようにしましょう。
風通しを良くすることも大切です。定期的に窓を開けて風を入れたりサーキュレーターを回したりして、室内の空気を動かしましょう。サーキュレーターの風が観葉植物に直接当たらないように注意してください。
室内で育てる観葉植物の土は、無機質用土を選びましょう。代表的な無機質用土には赤玉土や鹿沼土などがあります。
有機質用土は腐葉土や堆肥などです。有機質用土は栄養が豊富なため、使用していると虫が好んで寄ってきやすくなります。また、用土の中に虫の卵が混入しているケースもあります。
室内で管理する観葉植物は、肥料を施しすぎないようにしましょう。肥料に含まれる窒素によってアブラムシなどの虫が寄ってきやすくなるためです。
肥料を施す際は、パッケージに記載された量と頻度を守りましょう。肥料を適量より多く施すと、吸収しきれずに土中に成分が残り、虫を呼びよせやすくなります。
どれほど注意して管理していても、絶対に虫がわかないということはありえません。発生した虫に気付いたときは、繁殖する前にすみやかに対処することが大切です。
おもな対処法には以下があります。
観葉植物の育て方によっては虫がついて、観葉植物が弱ってしまう原因につながります。害虫がつかないようにするには、受け皿の水を捨てて定期的に葉水をして、明るく風通しの良い場所で育てることが大切です。無機質の土で育てて、肥料の与えすぎに注意することも虫を引き寄せない方法です。
観葉植物の中にはもともと虫がつきにくい種類もあります。害虫がつくことに不安を感じてなかなか観葉植物を買えないという方は、虫がつきにくい種類を選ぶのがよいでしょう。
お試しプランをご希望の際には導入開始月(導入開始日~導入開始月の最終日まで)は
スタートアッププランにて1鉢を無料でお試しいただけます。
継続せずにサービスを停止する場合、サービス停止月の25日までにご連絡いただければ
料金は一切発生しません。