観葉植物の葉水とは?必要な理由や正しいやり方・注意点を解説

公開日:2024/9/26

観葉植物の葉水とは?必要な理由や正しいやり方・注意点を解説

観葉植物の葉水とは?必要な理由や正しいやり方・注意点を解説

観葉植物を生き生きと美しく育てるには、水やりの他に葉水も重要です。葉水は観葉植物の葉に水を与えるシンプルなお世話の方法の1つですが、観葉植物を育てる方の中には、なぜ葉水が必要なのか疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。

当記事では、葉水の意味や必要な理由、正しい葉水のやり方などを紹介します。観葉植物を健康かつ美しく育てたいと考えている方は、ぜひお役立てください。

 

1.観葉植物の葉水とは?

葉水とは植物の葉に霧吹き器などを使って水をかける作業のことで、屋内で観葉植物を育てる際によくおこなわれるお世話の1つです。植物は葉からも水を吸収できるとされており、葉水をすることで水を取り入れられて葉からの乾燥を防げるというメリットがあります。

水やりとは異なり、葉水をしなくても観葉植物が枯れるようなことはありません。しかし、葉水にはさまざまなメリットがあるため、観葉植物を育てているなら実施するとよいおすすめのケアです。

 

2.観葉植物にとって葉水が大切な理由

葉水はさまざまな効果が期待できる観葉植物を育てる上で大切なお手入れの1つです。特に冷暖房で乾燥しがちな夏・冬は、観葉植物の様子をよく観察しながら葉水しましょう。

ここでは、観葉植物にとって葉水が大切な理由を解説します。

 

2-1.葉の乾燥対策

葉水は、観葉植物の葉の乾燥対策に効果的です。植物の葉には気孔と呼ばれる器官があり、二酸化炭素を吸い込んで酸素を出したり、根から吸い込んだ水分を蒸散したりしています。

夏や冬は、冷暖房などで部屋が乾燥することが多いです。湿度の低い部屋に長期間観葉植物を置いていると水分が蒸散しすぎてしまい、葉も乾燥してしおれたり茶色く変色したりします。

葉水をすれば周囲の湿度が高くなって蒸散量が抑えられ、葉についた水分を吸収できるので乾燥状態が解消します。

 

2-2.ホコリの除去

部屋の中に観葉植物を置いていると、気づかないうちにホコリが舞い上がり葉に溜まります。ふと見ると、美しかった葉にうっすらホコリがついているケースは珍しくありません。

植物は葉で呼吸や光合成をおこないます。ホコリが積もっていると光合成を阻害することがあり、美観が損なわれるだけでなく、生長にもよくありません。

葉のホコリや汚れに気づいたら、葉水をした後に柔らかい布で優しく拭き取りましょう。力を入れず、そっと拭き取るようにしてください。

 

2-3.害虫や病気の予防

観葉植物につく害虫の中には、ハダニなど乾燥した環境を好むものがいます。また、うどん粉病などは乾燥下で発生しやすい病気です。適度に葉水して観葉植物の周辺の湿度を上げれば、乾燥を好む害虫や病気の病気を予防できます。

外に出さず室内で育てていれば、害虫や病気の心配はいらないのではと思われる方もいるでしょう。しかし、病気の原因となるカビ菌は空中を浮遊しており、害虫は出入りする人にくっついて入ったり、風に乗って開けた窓から室内に侵入したりします。乾燥した室内にある観葉植物にカビや害虫がつくと一気に繁殖する可能性があるため、葉水をして防ぐことが大切です。

また、葉水をする際は葉を近くで見るので、病気の症状や害虫に気づきやすいというメリットもあります。早めに気づいてすぐに対処すれば、広がりが防げます。

 

2-4.葉のツヤ維持

観葉植物の多くは熱帯地方や亜熱帯地方の出身で、湿度の高い環境を好みます。部屋が乾燥しているときでも葉水をすると葉の周辺の湿度が上がるので、植物自体が生き生きするでしょう。

また、葉水をすれば観葉植物は葉からも水分を補えるため、みずみずしく潤い、グリーンインテリアとして美しいツヤを維持できます。

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3.観葉植物の葉水のやり方

葉水は観葉植物にとって多くのメリットがありますが、やり方にはいくつか注意が必要です。誤った方法で葉水を続けると、かえって観葉植物を弱らせることにつながりかねません。

ここでは、葉水の基本的なやり方について解説します。

 

3-1.午前中に1回葉水をする

葉水に適している時間帯は、午前中です。これには以下のような理由があります。

  • 気温が上がる日中に葉水すると、葉についた水滴がレンズのような役割を果たし、窓から入る日光で葉焼けを起こすことがある
  • 夜間にぐっと気温が下がる季節は、夜に葉水すると冷えて葉がダメージを受ける恐れがある

なお、葉水は乾燥が気になるときにおこなえばよく、梅雨時期など湿度が高い状態が続く時期は毎日する必要はありません。冷暖房をつけた部屋で管理しているなど、乾燥した状態が続くときは毎日葉水をするとよいでしょう。回数は1日1回で十分で、高い頻度でおこなう必要はありません。

植物の様子を観察し、乾き具合を確認して葉水をするかどうか判断してください。

 

3-2.葉の裏側にも葉水をする

葉水をするときは葉の表面だけでなく、裏側にも水をかけましょう。水分を吸収する経路となる気孔は葉の裏側に多く存在します。葉の裏にも葉水をすることで観葉植物が水分を吸収しやすくなります。

また、害虫は葉の裏側に寄生するケースが少なくありません。葉の裏側にも葉水をすることで、害虫の発生予防や早期発見につながります。

葉を一枚ずつめくってスプレーするか、鉢のサイズによっては持ち上げて下から水をかけるとよいでしょう。

 

3-3.葉の白くなった部分は拭き取る

観葉植物に葉水をしていると、水道水の成分が原因で葉の表面に白いものが付着することがあります。葉についた水滴が蒸発し、水道水中に含まれるカルキなどが残ったものです。カルキが葉についても特に問題はないものの、美観は損なわれます。

放置しているとカルキが取れなくなるので、気づいたらすぐに柔らかい布を濡らしてそっと拭き取りましょう。付着後すぐであれば、拭えば取れます。葉を傷つけないように、ゴシゴシ拭かないようにしてください。

なお、カルキが原因ではなく、葉水による水滴で葉焼けが起きて葉先などが白くなっているケースもあります。その場合は、元に戻らないため葉焼けした部分は切り取りましょう。葉焼けが起きているときは、葉水後に強い日差しにあたらないように、時間帯や置き場所に注意する必要があります。

 

3-4.根元近くを湿らさないようにする

葉水をする際は葉のみに水がかかるように注意し、株元近くはあまり濡らさないようにすることも大切なポイントです。

適切な間隔で水やりをしていても、葉水の際に土を濡らしてしまうとなかなか乾燥しません。土がじめじめした状態が長く続くことになり、観葉植物が根腐れを起こすことがあります。葉だけを濡らすように注意しましょう。

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4.観葉植物に葉水をするときの注意点

乾燥防止や病害虫の発生予防などさまざまなメリットがある葉水ですが、注意点が2つあります。

  • どうしても難しいときは無理してしなくてもよい
  • 観葉植物の種類によってはかえってダメージを受けることがある

水やりとは異なり、葉水は必ずおこなうべきお世話ではありません。葉水をしないことが原因で弱ったり枯れたりすることはないので、時間がないときは無理しなくてよいでしょう。

熱帯地方や亜熱帯地方出身の観葉植物は乾燥が苦手なため、葉水が有効です。一方、乾燥した地域を原産とする多肉植物やサボテンなどでは葉水が逆効果になる可能性が高く、注意が必要です。

中には葉のすきまに水が溜まると蒸れて弱る種類も存在します。多肉植物やサボテンを育てているなら葉水はやめ、水やりも控えめにして乾燥気味に育てるようにしましょう。

 

まとめ

葉水は霧吹きなどで植物の葉に水をかけるお世話の1つで、植物の乾燥を防いだり外注・病気の予防になったりなどのメリットがあります。葉の乾燥が防がれると、葉自体も大きく生長してツヤのある葉になり、見た目も美しくなります。しかし、葉水をしないと観葉植物が枯れるということはないため、植物を育てるにあたって必須の作業ではありません。

葉水をするときは、午前中に1回、根本を避けて葉の裏側にも水がかかるようにするのが正しい方法です。乾燥を好むサボテンや多肉植物は葉水によって弱る可能性が高いため避けましょう。

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