育てている観葉植物の元気がないときや枯れてしまったときは

公開日:2018/8/15 更新日: 2018/8/26

育てている観葉植物の元気がないときや枯れてしまったときは

育てている観葉植物の元気がないときや枯れてしまったときは

いつも家の中で空気をきれいにしたり見た目で私たちを癒してくれる観葉植物たち。近頃ではお洒落なインテリアとしても人気で駅前やショッピングモールなどでもよく見かけるようになりましたよね。

しかし、植物の育て方や特徴を知らずに、買ったはいいけれど、買ったばかりなのにふと見てみると萎れていて元気がない!葉っぱが茶色くなっていてあれ、もしかして枯れてる!?なんてこともよくあるのではないでしょうか。

そんな時は何をどうすればいいのか、対処方法を見ていきましょう。

観葉植物の元気がないときや枯れてしまったときの原因を診断する方法

植物がしょんぼりしてしまったときや枯れてしまったときは、灰色カビ病やすす病などの病気ではないとするといくつかの要因が予想されます。

エアコンの風によって乾燥してしまっていたり、朝晩の寒暖の差なども植物が枯れてしまう要因として推測することができます。

日照が不十分、あるいは直射日光が当たって葉枯れをおこしている場合も考えられますが、水のやりすぎで根腐れを起こしてしまっているか、逆に水のやらなさすぎで乾燥してしまっているか、そのどちらかが理由であることが大半であるといえます。

植物は水分をあげすぎても、その反対にあげなすぎても枯れてしまいますのでその観葉植物の特性にあった丁度いい量の水をやることが肝要です。

ともあれ、観葉植物が枯れる原因は水のあげすぎによる根腐れのせいなのか水が足りない水切れ(乾燥)なのか、どちらなのか診断していきましょう。

元気のない植物_みんなのみどり

根腐れがおきているかどうかの確認方法

根腐れとはその名の通り、植物の根が腐ってしまっている様子のことです。根っこの末端のほうからだんだんと腐ってきて、次に茎が腐り、最後には全体が枯れてしまいます。

健全な植物は根っこから水と酸素を取り込んで、葉っぱから二酸化炭素を吸い、代わりに酸素と水を作り出します。根っこが腐っているグリーンは酸素を吸うことができないので、酸欠状態になってしまい、葉っぱや根っこの色が変わってしまったりします。

 

以下の容態が見られたら根腐れしている確率が高いでしょう。

 

・根っこの色が黒く変わっている

・土から腐敗しているような悪臭がする

・葉っぱが黄色っぽい、あるいは茶色っぽい

・葉っぱがしょんぼりしている

・水をやったあと、土の乾燥が遅い

・茎などを手で触るとぷにぷにして明らかにやわらかくなっている

・幹から白いカビが生えている

 

観葉植物の変化にいち早く気づくために、葉のコンディションを毎日チェックするのがいいでしょう。初期の段階(葉っぱの元気がない、土の水はけが悪いなど)で根腐れしていることに気が付くことができれば、その観葉植物を回復させられる可能性が高いからです。

 

根腐れの要因は酸素が不十分なので、それががなぜ起きるのかというと以下のことが予測できるでしょう。

 

①水やりの頻度、量が多い。または土の水はけが悪い。

水はけが悪いと、空気の隙間ができないので植物は根から酸素を吸い上げることができず、酸素が不十分になってしまいます。そして、水やりの頻度や量が多く、土が絶えず水気を含んでいるコンディションだと植物はうまく吸ったり吐いたりすることがかないません。植物は水を取り込んだ後の土の隙間にある空気を吸って呼吸するからです。

 

②肥料のやりすぎ(肥料焼け)

肥料を過剰にやってしまうと、土中の肥料成分が濃くなって浸透圧の影響から根っこから水気が出て行ってしまい、根っこが萎れてしまったり枯れてしまったりします。これを「肥料焼け」といいます。葉っぱが萎れていたり、観葉植物が元気がないのを見て、「これは土に栄養が足りないからではないか」と肥料を使いたい気持ちはわかりますが、水も肥料も過剰にやってしまうと植物を枯らしてしまうことになります。

 

③嫌気性菌の増殖

普通の土にもいる嫌気性菌(酸素が嫌いな菌)。この菌のおかげで自然の中の植物は枯れた後分解されて土へと戻っていくことが可能なので、害のある悪者ではありません。

そうは言っても、増えすぎると話は別です。この嫌気性菌が水はけの悪いコンディションが続いたりすると増殖してしまい、根腐れを促してしまうことがあるのです。

根腐れしてしまったときに土から腐敗したような悪臭がするのは、この嫌気性菌が根っこを腐敗させるときに出すメタンガスなどが要因です。

水枯れ(乾燥)がおきているかどうかの確認方法

水枯れとは水が足りなくて乾燥がおきている様子のことです。

観葉植物は私たちを癒してくれるおシャレなインテリアにもなりますが、やっぱり彼らも生き物なので生きるためには適量のお水が不可欠です。

 

下記の項目に当てはまっている数が多ければ水枯れ(乾燥)が起きている可能性が高いでしょう。

 

・葉っぱが垂れている、あるいは丸まっている

・ここの所水やりをしていなかった

・土がからからに乾いている

 

なぜ水枯れ(乾燥)が起きてしまうのでしょうか、その要因として以下のことが予想できます。。

 

①水やりの頻度、量が少ない

その観葉植物によっておのおの必須の水の量は異なりますが、水やりが十分でないと十分な水を根から取り入れることができずに乾燥してしまい枯れてしまいます。

 

②観葉植物を置いている場所が乾燥している

エアコンの風が当たる位置にグリーンを置いていたりすると、適度な湿度では十分な水の量を与えていても乾燥しやすくなってしまいます。

 

③根詰まりをおこしている

植物の根詰まり_みんなのみどり

根詰まりとは植物の根が鉢の容器の限界を超えて成長してぱんぱんに詰まっている状態のことをいいます。

普通は土の中の隙間に空気や水が溜まってそこから根っこが取り入れることができるのですが、鉢の容器が根っこで満タンになっていると空気や水が溜まる空間がないので吸ったり吐いたりができなくて下葉が黄色くなったり水が吸えなくて乾燥がおきてしまったりします。

もし鉢の裏側から根っこが出てしまっていたら、それは根詰まりをおこしている可能性があります。

 

植物の元気がなくなった時の対処方法

元気のなくなったグリーン_みんなのみどり

グリーンのしょんぼりしてしまった原因がわかったら、次はそれぞれの場合に応じての対策を見ていきましょう。早めの対処で、観葉植物がもう一度活気を取り戻してくれる可能性が高まります。

根腐れが発生した場合の対処

根腐れしてしまっている場合、残念ながら一度腐ってしまったところは完全に死んでしまっていて回復させることはできません。

そんなわけで、可能な限り初期の段階(見た目は元気だが、土から腐敗しているような悪臭がする、など)で根腐れに気づくことが重要です。

もしあなたの観葉植物が初期の段階の根腐れであれば、水のやりすぎが要因であることが多いので、もし受け皿に水が溜まっていたりしたらすぐに捨てましょう。

そして、しばらくは水やりを控えて、風通しの悪いくらくてじめじめした置き場は避けて観葉植物を風通しのいいレースのカーテン越しの日光や木漏れ日程度の優しい光が当たり西日が当たらない「明るい日陰」に移動させましょう。

もしあなたの観葉植物の根腐れのコンディションが初期状態より進行している(根っこが黒くなっている、など)ようなら、植え替えをして株のコンディションを整えていきましょう。

まず最初に、根っこについている土を落としていきます。そして、変色していたり腐敗してしまっている根っこをハサミで切り落としてしまいましょう。

また、根っこと葉っぱや茎のつり合いを見ながら整えていってください。最後に、腐葉土などを赤玉土に混ざて水はけのいい、適度に乾燥している土に植え替えて「明るい日陰」に移動させましょう。

多肉植物などの挿し木できる観葉植物であれば、根や茎の腐ってしまった部分や枯れてしまっていたりする部分を切り落として切口を新しい土に植え替えてあげましょう。

 

水枯れ(乾燥)が発生した場合の対処

水が足りなくて枯れてしまっている場合、水を十二分に与えてあげると回復する可能性があります。持ち上げることのできる大きさの鉢でしたら、鉢が無理なく入る大きさのバケツか何かの容器に入れて水を張って浸しておきます。もしくは鉢の中にふんだんに水をジョウロで与えます。

霧吹きで葉水を与えて、観葉植物の葉っぱや茎が活気を取り戻すまで葉から水の蒸発を防ぐため日陰に置いておきます

根詰まりをおこしていたり土の保水力がなくかちかちになっていたら、対処としては一回り大きい鉢に植え替えをしてあげることがおすすめです。

根っこを傷つけないよう注意しながら根っこをほぐして古い土を半分から三分の一落とし、伸びすぎた根っこを三分の二ほど切り落とし整えます。

一回り大きい鉢に移し隙間に新しい土を入れていきます。

この時に注意をしてほしいのは、直根性の植物の植え替えを行う場合です。直根性という太い根っこが一本生えているタイプの植物(にんじん、だいこん、きゅうり、ひまわりなど)は太い根っこが傷ついてしまうと枯れてしまったりうまく育たなくなってしまう恐れがあるので古い土は落とさず、そのままやさしく一回り大きい鉢に植え替えます。

植え替えたあとは、水を惜しみなく与えてあげましょう。

 

エアコンの風があたっていたりカビが発生している場合は注意

エアコンの風がダイレクトに観葉植物に当たっていると、水気が葉っぱから気化して乾いたコンディションになってしまいます。

観葉植物を冷暖房の風が直接あたらないポジションに動かしてやりましょう。

エアコンの下の他に観葉植物を置く場所として不向きなのは、テレビや冷蔵庫などの電子機器の横です。

生活家電からでる電磁波や熱が植物に悪影響を与えるだけでなく、葉水などをした際に霧吹きの水が電子機器にかかってしまう恐れがあります。

部屋の隅などの通気性が悪い場所も観葉植物には向いていません。植物は水やりをした後通気性が悪い置き場所だと土がなかなか乾かずにずっと湿ったコンディションになってしまいます。

土の中が絶えず湿り気のあるコンディションだと土の中の菌が繁殖してカビやキノコが生えてしまったり、根腐れしてしまう危険性があるのです。

水やりをした後はすっかり閉めていた窓を開けて換気をするか、もし窓を開けるのが難しいようであればサーキュレーターを使って室内の空気を循環させてあげるのもいいかもしれません。

季節によっても暑すぎたり寒すぎたりする場所は植物にとって快適とは言えません。

そんな訳で、例えば冬場は窓際は冷えがちなので少し離して配置する、暖房の風が直接当たらないように工夫をするなど考慮してやるといいでしょう。

 

カビが発生している場合は水のやりすぎの可能性があります。カビはあったかい気温、栄養潤沢な土と湿気が大好物です。

特に梅雨の時期は観葉植物はカビが好む環境とぴったり合致するので注意が不可欠です。

観葉植物の置いている場所が通気性の悪い位置だったり陽当たりが悪かったりすると、土が乾きづらく絶えず湿った状態になりやすいので通気性がよく陽当たりのいいポジションに移動させてあげましょう。直射日光は葉が焼けてしまったりするので避けて、レースのカーテン越しなどの日光を時々は当ててやって下さい。

またできてしまったカビは、土の上のカビが生えてしまっている部分を取り除いて新しい土と交換してやりましょう。

本来植物自体にカビが生えることはありませんが、もし植物自体にカビのようなものを見つけたら、病気にかかっている可能性があります。

水やりの頻度や量が必要以上に多くなっていないか見直すことも必要です。通気性のいい鉢に植えたり、防カビ剤など使ってもいいかもしれません。

正しい水やりの方法

観葉植物を枯らしてしまうほとんどの原因は水のあげすぎだそうです。適切な水やりのタイミング、量、水やり後のケアなど観葉植物を健康にはぐくむために正確な水やりのやり方を知ることが重要です。

植物の水やりに失敗_みんなのみどり

水やりの基本

水やりの要領は土の水気がなくなってから、たっぷりと水を与えることです。

植物は水を吸った後、土の中には元々水が溜まっていた隙間にある空気を吸います。そうしてガスなどを排出して呼吸をします。

水をあげすぎて土の中が絶え間なく水気を含んだコンディションでいると根っこがこの呼吸ができなくなってしまうので、水やりは土がぱらぱらに乾いてから行います。

土が乾いたかどうかを判断するためには指先で土の表面を触ってみましょう。水分を多く含んでいる土の場合、土の色は黒くて湿っていて指に土がくっつきます。

土が乾いてくると、色が黒から茶色、そして白っぽい茶色へと変化していくのがわかります。乾燥している土は白っぽい茶色をしていて、触ってもパラパラとしていて指にくっつきません。

葉っぱも水が足りていて元気な時はぴんと張っていて上向きになっていますが、水やりを必要としているときはしょぼんとしていて下向きです。

このように土や葉っぱの様子から水やりのタイミングを判断します。また、土が乾いていると鉢が軽くなっているはずなので、簡単に持ち上げられる大きさの観葉植物なら持ち上げてみることで重さでも判断できます。

土が乾燥しているのがわかったら次はお水をあたえましょう。与える水の量は鉢の下の穴から水が溢れるくらいの量を与えます。

これは、下から水が出るくらいたっぷりと与えることによって、土の中全体に水を行きわたらせるためと、土の中にたまった根っこが排出した不要なガスなどを押し出して代わりに新鮮な水と空気を取り込むためです。水分補給だけでなく、水やりは土の中の環境を整える役割もあるんですね。

水やりのあとに受け皿の中の水は、置いておくと根腐れしてしまう原因にもなりますので、こまめに捨てるよう心がけましょう。

土はまだ乾燥していないけれども葉っぱが乾燥しているときや冬で部屋の中が乾燥しているときなどは、霧吹きなどで葉っぱに直接水を吹きかける「葉水」をおすすめします。

葉水をすることで観葉植物は葉から水を吸収することができ元気な緑色の生き生きとした葉っぱを保つことができます。

また、葉っぱについたほこりなどを取ることによって光合成や呼吸をしやすくしたり病害虫予防にもなります。

原産地が熱帯の高温多湿の観葉植物には葉水を全体にして周囲の温度をあげることで、葉っぱが生き生きと育つことでしょう。

底面給水法

水が好きなタイプの観葉植物であるなら底面給水法という方法もあります。

底面給水_水やり_みんなのみどり

これは球根に水がかかるのを嫌うシクラメンや苔玉や盆栽、種が小さすぎて通常の水やりをすると流れてしまう場合などによく行われる方法です。

鉢の下にためている水に合成繊維などの素材で水を吸い上げて、表土からではなく底面から水をしみこませます。別名「底面灌水法」、「腰水」とも呼ばれるこの方法は水切れの心配がない、水やりの手間が省けるといった利点から人気の給水(灌水)法です。

専用の鉢も売られているので、お持ちの観葉植物が底面給水法に適した植物かどうか確認の上お試ししてみてはいかがでしょうか。

 

植物も生き物だということを忘れないで毎日葉の状態や土のコンディションなどを観察して変化を見逃さないこと、その観葉植物の特性や原産地の気候などの情報をしり、居心地の良い環境を提供してやることであなたのグリーンは生き生きと健康にそだってくれることでしょう。

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