観葉植物の灰色かび病(ボトリチス病)とは?秋冬に増える原因と対処法

公開日:2026/9/15

観葉植物の灰色かび病(ボトリチス病)とは?秋冬に増える原因と対処法

観葉植物の灰色かび病(ボトリチス病)とは?秋冬に増える原因と対処法

以前、管理していた鉢植えの茎に、灰色のふわふわしたカビが急に広がっているのを見つけて驚いたことがあります。気づいたときにはすでに葉の一部が茶色く傷み、慌てて隔離した記憶が今でも残っています。

これは「灰色かび病(ボトリチス病)」と呼ばれる病気で、秋から冬にかけて増える身近なトラブルです。
原因を知れば防げる病気なので、症状と対処法を一緒に確認していきましょう。

灰色かび病(ボトリチス病)とは?まず症状を知ろう

葉や茎に広がる灰色のカビ

灰色かび病は、「ボトリチス・シネレア」という糸状菌(カビの一種)が原因で起こる病気です。
はじめは葉先や葉の縁、傷んだ茎などに水がしみたような黒っぽい斑点が現れ、急速に広がります。

放置すると患部は軟らかく腐ったようになり、表面には灰色の粉のような胞子(カビ)がびっしりと発生します。
茎まで感染が達すると、そこから上の部分が水分や栄養を失い、株全体が枯れ込んでしまうこともあります。

なぜ「ボトリチス病」と呼ばれるのか

病名の由来は、原因菌の学名「Botrytis cinerea(ボトリティス・シネレア)」です。
この菌は観葉植物だけでなく、バラやトマト、イチゴなど200種以上の植物に発生することが知られています。

特徴的なのは、健康な組織よりも先に、枯れた葉や傷ついた茎など弱った部分から侵入しやすい点です。
水やりの際に折れてしまった茎や、剪定後の切り口も、菌にとっては格好の入り口になります。

灰色かび病が秋冬に増える原因

気温と湿度が生み出す「もっとも活発な条件」

灰色かび病の菌は、20℃前後のやや涼しい環境と高い湿度を好みます。
真夏の暑い時期はむしろ勢いが落ち着き、気温が下がり始める秋から冬にかけて活動が活発になります。
気温が下がるこの時期は、室内でエアコンやヒーターを使い始めるタイミングとも重なります。

換気不足が引き起こす“見えない多湿”

暖房を使うと窓を閉め切る時間が長くなり、部屋の空気が動きにくくなります。
この菌の胞子は、湿度90%前後の状態が6時間ほど続くだけで発芽してしまうという報告があります。

「乾燥する季節だから大丈夫」と思われがちですが、閉め切った室内の株元や葉の陰は、暖房の乾いた空気とは裏腹に湿気がこもりやすい場所です。

秋冬に増える本当の理由は、部屋全体の乾燥ではなく、植物のすぐそばだけに生まれる小さな多湿ゾーンにあるといえます。

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灰色かび病を見つけたときの対処法

感染した部分をすぐに取り除く

灰色のカビや茶色い斑点を見つけたら、次の手順で取り除きましょう。

  1. 清潔なハサミで、カビや斑点のある部分を切り取る
  2. 使ったハサミはアルコールなどで消毒してから、他の株に触れる
  3. 切り取った葉や茎は生ゴミとして密閉して処分する(鉢の周りに放置しない)

周囲の植物への感染拡大を防ぐ

灰色かび病はカビの胞子が空気中を漂って広がるため、周囲への対策も欠かせません。

  • 感染株と健康な株の間は、できるだけ距離を取る
  • 窓を少し開けたり、サーキュレーターで空気を動かしたりする
  • 症状が茎の深い部分まで進んでいる場合は、無理に残さず株ごと処分することも検討する

灰色かび病を防ぐ日々のケア

水やり・葉水の見直し

灰色かび病を防ぐ一番の近道は、葉や茎の表面を長時間濡れたままにしないことです。葉水は乾燥対策として有効ですが、あわせて次の3つを習慣にしましょう。

  • 土の表面の色が乾いて白っぽくなったタイミングで水やりをする
  • 葉水のあとは、葉の付け根や茎の根元に水滴が残っていないか確認する
  • 受け皿に溜まった水は、その日のうちに捨てる

風通しと置き場所を見直す

置き場所や日々のひと手間でも、多湿な環境になりにくくできます。

  • 鉢と鉢の間隔を少し空けて、空気の通り道をつくる
  • 枯れた葉や咲き終わった花がら(菌のすみかになりやすい)は、見つけたらこまめに摘み取る
  • 冬場も日中の暖かい時間帯に数分だけ換気する

灰色かび病についてよくある誤解

うどんこ病とは違う病気

白い粉のようなカビが葉に広がる「うどんこ病」と混同されることがありますが、原因菌も見た目も異なります。

項目 灰色かび病 うどんこ病
見た目 水浸状の黒い斑点→軟らかく腐って灰色の粉状カビが密生 白い粉をまぶしたような粉状
好む環境 涼しく多湿な環境 比較的乾燥した環境
発生しやすい時期 春先〜梅雨、秋〜初冬 春〜秋の乾燥しやすい時期

人やペットへの影響は?

灰色かび病自体が人に直接害を及ぼすという報告は多くありません。
ただしカビの胞子を吸い込むとアレルギー症状が出る場合があると言われているため、換気をしながら作業することをおすすめします。
気になる場合はマスクを着用し、作業後は手をよく洗うようにしてください。

現場で見た灰色かび病との付き合い方

以前、お預かりしていた鉢植えの葉先に、ある朝突然灰色の粉のようなカビが広がっているのを見つけたことがあります。前日まではなんともなかったはずなのに驚きました。

想定される原因:数日前の水やりで葉の付け根に水が溜まったまま、気温が下がって空気が動きにくい夜が続いたことが重なっていました。


それ以来、水やりのあとは葉の付け根や鉢底に水が残っていないか、必ず確認してから離れるようにしています。たった数秒の確認を習慣にするだけで、その後は同じトラブルが起きないようになりました。

現場やお客様からいただく声としては、以下のようなものが多く聞かれます。

  • 「葉水をこまめにしていたのに、逆にカビが増えてしまった」という声
  • 「気づいたら茎がふにゃっと軟らかくなっていた」という報告
  • 「風通しを意識するようになってから、同じ場所での再発がなくなった」という改善例

灰色かび病についてよくある質問

Q. 灰色かび病は治療できますか?
A. 一度発生した部分を元通りにすることは難しいですが、早期に感染部分を取り除けば、株全体への被害を最小限に抑えられます。
Q. 灰色かび病はどんな植物に発生しやすいですか?
A. 特定の品種に限らず、多くの観葉植物で起こり得ます。特に葉が密に茂っている株や、傷んだ葉が多く残っている株は注意が必要です。
Q. 農薬を使わないと防げませんか?
A. 風通しや水やりの見直しなど、環境を整えるだけでも十分に予防効果が期待できます。症状が広範囲に及ぶ場合は、専用の殺菌剤の使用も選択肢の一つです。
Q. 灰色かび病とカビ臭は関係がありますか?
A. 灰色かび病そのものが強い臭いを発することは多くありませんが、多湿な環境はほかのカビや腐敗も併発しやすいため、臭いが気になる場合は土の状態もあわせて確認してください。
Q. 一度治ったら再発しませんか?
A. 発生しやすい環境が変わらなければ、再発する可能性があります。水やり習慣や置き場所を見直し続けることが、長期的な予防につながります。

灰色かび病は一度発生に気づいても、その後の管理次第で被害の広がり方が大きく変わります。
とはいえ、日々の水やりや葉水の状態をすべて把握し続けるのは、忙しい毎日の中では簡単ではありません。

そんな方におすすめなのが、GOOD GREENの植物レンタルサービスです。定期的なメンテナンスの中で、株の状態をプロの目でチェックしながら管理できます。

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まとめ:灰色かび病を秋冬から守るために

灰色かび病は、気温が下がり暖房を使い始める秋冬に増える身近なトラブルです。
原因の多くは、目に見えない小さな多湿ゾーンが植物のすぐそばに生まれてしまうことにあります。
水やりのタイミングや置き場所、風通しを少し意識するだけで、発生のリスクは大きく減らせます。

以前見つけたときは慌ててしまいましたが、原因に気づいてからは同じトラブルが起きなくなりました。
季節の変わり目に小さな変化へ気づいてあげることが、植物を長く元気に育てる一番の近道です。

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