日常の生活で不便を感じたり、従来とは異なる兆候を感じたことはありませんか?もしかすると、その違和感は実は「シロアリ被害」に起因する可能性があるかもしれません。
この記事では、シロアリ被害を見抜く方法と、具体的なシロアリ被害の内容について解説します。
シロアリ被害を見分けるための指標
シロアリ被害に気づくキッカケの多くは、「自宅周辺や室内でシロアリを目撃する」ということです。
しかし、シロアリを目撃しなくても、他の兆候からシロアリ被害を見分けることができます。シロアリ被害の兆候を見分けるためのポイントは次の5つです。
- 壁や柱を叩いた際に空洞音がする
- 床に木くずやフンが散らばっている
- 羽アリが存在するか、アリの通り道が見受けられる
- 日常生活において不便が増加した
- 部屋の隅に小さな羽が落ちている
壁や柱を叩いた際の空洞音
シロアリ被害を受けていない壁や柱を叩いてみると、中が充填されたような重い音が響くことがよくあります。
その音は低く、音量も控えめです。
一方で、シロアリ被害がある場合、壁や柱を叩くと軽やかな音が響きます。
これはシロアリが内部の柱や壁を食害したことによる空洞が原因で、音が反響しやすく、内部が空っぽに感じる音が特徴です。
できるだけ、天井の壁や床も含めて全体を叩いて確認することをおすすめします。これによりシロアリ被害の有無だけでなく、被害の程度も把握できます。
また、被害が進行している場合、指で軽く押すだけで柱が凹むことがあります。
柱や壁を叩きながら軽く押して、被害状況を確認しましょう。
床に木くずやフンが散らばっている
もし床に自分の記憶にない木くずや虫のフンがある場合は、注意が必要です。
これはシロアリの被害が進行している兆候かもしれません。
シロアリは木材の柱や壁を食べながら進行します。
床に木くずやフンが散らばっているのは、建物内でシロアリが活動していることを示す証拠です。
もし複数の場所でこの状況が見られるならば、シロアリ被害が建物全体に広がっている可能性があります。
羽アリが飛んでいるか、アリの通り道があるか
シロアリは基本的に地下から進入し、徐々に規模を拡大します。
そのため、被害が初期段階では気づきにくいことがありますが、羽アリが飛んでいる場合は注意が必要です。
羽アリの存在は、シロアリの巣がある程度大きくなっていることを示しており、早急に対処する必要があります。
ただし、羽アリにはシロアリと黒アリの2つの種類が存在します。
以下にそれぞれの特徴を示すので、判別の際の基準として活用してください。
シロアリの羽アリと一般的なアリの羽アリの特徴
種類 | シロアリの羽アリ | 黒アリの羽アリ |
---|---|---|
体の色 | 主に白または明るい茶色 | 黒 |
羽の色 | 半透明 | 透明 |
羽の大きさ | 体に対して大きめ | 体とほぼ同じ |
シロアリと黒アリを見分ける際には、「体の色」と「羽の大きさ」に注目して判断してみましょう。
生活の中で不便が増加
普段の暮らしで以前に比べて不便を感じたことはありませんか?シロアリの痕跡は見当たらないかもしれませんが、日常生活で不便が増える兆候にも注意が必要です。
白蟻が柱や壁を食害することで歪みが生じ、ドアの開閉に影響を及ぼすことがあります。
例えば、ドアの操作が難しくなったり、歩くと床が凹んでしまったりするような状態が考えられます。
こうした現象は、シロアリによる被害の兆候かもしれません。
もちろん、経年劣化によって生じる日常生活の不便もあるかもしれませんが、同じタイミングで複数の箇所で問題が起きている場合は、シロアリによる可能性が高いです。
部屋の隅に小さな羽が落ちている
「分からないけれど、小さな羽が部屋の隅に落ちている」という状況に心当たりはありませんか?
これらの小さな羽が、羽アリの存在を示唆している可能性があります。建物内で羽アリが活動しているため、部屋中に羽が散乱することがあります。
羽アリの特徴を理解していない場合、見分けるのは難しいかもしれませんが、「丸い羽先を持ち、細長い形状」の羽を見つけたら警戒が必要です。なお、シロアリではない黒アリの羽アリは、羽に分かれた黒い模様があるため、羽先は尖っています。
このような特徴を頭に入れ、羽アリの種類を判別してみましょう。
自分でシロアリかどうか判断できない場合は、駆除専門業者に調査を依頼することも一つの手段です。
専門家の目による確認で、適切な対策を講じることができます。
シロアリ被害の発生リスクが高い箇所
次に、シロアリ被害が発生しやすい場所について詳しくご紹介いたします。
これは、弊社の被害事例の中でも特に多く見受けられる箇所ですので、注意深くご確認ください。
水まわり
キッチンやお風呂場など、水まわりは家の中でも湿度が高くなりやすい領域です。
このような環境では、床板や壁などがシロアリの被害を受ける可能性があります。
畳の周辺
シロアリは木材だけでなく、畳の材料であるイグサも好んで摂食します。
また、畳は湿気を吸いやすいため、シロアリの好む環境が整いやすい特性があります。
玄関
雨の日に外出する際、靴や傘が濡れて玄関の土間に置かれることがあります。
この状況でタイルの隙間から水分が侵入すると、湿度の高い環境が生まれます。
こうした状態はシロアリの生息環境を作り出す要因となるため、注意が必要です。
床下
床下は湿度がたまりやすい場所であり、地面に接する土台や柱などに木材が多く使用されています。
このため、シロアリが引き寄せられやすく、ここから家中に被害を広げていくことがあります。
庭の樹木やエクステリア
住宅だけでなく、庭にある樹木やウッドデッキ、枕木などのエクステリアもシロアリの温床となる可能性があります。
特に風雨に晒されることから、常に湿度が高く、シロアリが好む条件が揃いやすい環境です。
ここで述べた箇所は、家全体の中でもシロアリ被害が発生しやすいポイントです。
日常的な換気など、できる対策から始めてみることをおすすめします。
シロアリ被害を放置したらどうなる?
シロアリ被害の放置後の影響
「もしかしたらシロアリ被害があるかもしれないけれど、まだ業者に頼むほどでもないかな」と思っている方は多いかもしれません。
しかしながら、シロアリ被害は日々進行し、その影響は深刻化していくため、不安を感じた時点で対策を考えることが大切です。
もしもシロアリ被害を放置してしまうと、建物にどのような影響が現れるのでしょうか。
シロアリの被害は主に2つの面で影響を及ぼします。
- 建物の構造強度の危険性増加
- 自然災害の影響を受けやすい状態への変化
建物の構造強度の危険性増加
まず考えられるのは、建物の構造強度に関する危険性の増加です。
建物は頑丈な柱や梁に支えられて成り立っています。しかし、シロアリの被害によって柱や梁が脆くなると、建物全体の安定性が低下します。
シロアリの被害は主に柱に影響を及ぼすことが多く、これが建物の強度を低下させる結果となります。
被害が進行すると、柱が触れただけで崩れるほど脆くなることもあり、建物の倒壊の危険性が高まります。
最悪の場合、倒壊による怪我や死亡事故につながる可能性もあるため、シロアリ被害は軽視するべきではありません。
自然災害の影響を受けやすい状態への変化
シロアリ被害によって建物の構造強度が低下すると、地震や豪雨などの自然災害の影響を受けやすい状態になります。
地震によって、ひび割れや歪み、倒壊などのリスクが増加します。また、豪雨時には雨漏りや建物の強度低下が懸念されます。
特に日本のような天災が多い地域では、建物の堅牢性が不可欠です。
シロアリ被害を放置すると、自然災害による被害がより大きくなる可能性があるため、早めの対策が重要です。
シロアリ被害にあったら急いで駆除を
もしも、ご自宅がシロアリ被害に遭っている可能性がある場合、速やかにシロアリ駆除を検討しましょう。
シロアリ被害は放置すると、先述したように建物の耐久性に影響を及ぼす可能性があり、被害は拡大する一方です。
シロアリ駆除には、自身で行う方法とシロアリ駆除業者に依頼する方法の2つがあります。それぞれの選択肢にはメリットとデメリットが存在します。
シロアリ駆除の方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
自己対処 | ・業者に頼むより経済的 ・自分の都合に合わせて作業が可能 ・外部の人が自宅に入る必要がない |
・完全な駆除が難しい可能性 ・建物への損傷の危険性 ・安全性への懸念 |
業者に依頼 | ・専門家による駆除で成功確率が高い ・保証制度による再発対応 |
・一定の費用がかかることがある ・業者選びに時間がかかることがある |
シロアリ駆除に必要な道具はインターネットで入手できる場合もありますが、安易に自己対処を選ぶことはお勧めできません。
シロアリ駆除には、シロアリに関する知識だけでなく、建物の構造や素材についての知識、薬剤の知識や散布技術が必要です。
例えば、床下に侵入し柱の防蟻処理を行う場合でも、柱を損傷しないように施工するのは専門家でなければ難しいでしょう。
シロアリの被害が小さい範囲内であれば、自己対処も検討できますが、大規模な被害に遭っている場合は専門業者への依頼を検討しましょう。
シロアリ駆除業者に依頼する場合、気になるのは費用です。
シロアリ駆除の費用は、被害範囲の広がりに応じて異なるため、早期対応が重要です。
シロアリ予防の重要性とその理由
これまで、シロアリ被害の事例から被害対応までを詳しく説明してきましたが、最後に日常的なシロアリ被害を予防する重要性とその理由をご説明いたします。
シロアリ予防の重要性は、以下の3つの理由によるものです。
- 家の資産価値の低下を避けるため
- 建築の品質を保つため
- 倒壊のリスクを軽減するため
シロアリ被害を受けた家は、その資産価値が低下し、また建物の安全性も脅かされます。
特に新築から5年以上が経過すると、建築時に施工されたシロアリ対策薬剤の効果が薄れてしまいます。
そのため、効果が切れる約5年ごとに定期的なシロアリ予防を行うことが重要です。定期的な予防によって、シロアリの侵入と被害を最小限に食い止めることができます。