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毛虫・チャドクガを自分で安全に駆除する方法と駆除業者の選び方

毛虫

自宅の庭で毛虫が目についたら、速やかに対処したいと思うかもしれませんね。
ただし、毛虫は外見から有害なものも多く、自己処理が適切かどうかを判断に迷うことも多いと思います。

「庭の植物に毛虫がいるのを見かけたけれど、見た目が気持ち悪くて近づくのがためらわれる…」
「庭に毛虫が大量に発生していて、自分でどうにかできるか不安がある…」

こうした悩みを抱える方々に向けて、安全に自己処理する方法や、今後の対策として毛虫を防ぐための手段について、ご紹介していきます。

毛虫の種類と特徴・生態

毛虫にはたくさんの種類がありますが、私たちがよく見かけることのある毛虫には下記のような種類の毛虫が多いです。

・毒性のある毛虫
ドクガ、クロシタアオイラガ、マツカレハ、チャドクガ、イラガ

・毒性がない毛虫
クスサン、マイマイガ、オビカレハ、アメリカシロヒトリ

特にチャドクガといった有毒な毛虫は、刺されると強烈な痛みやかゆみが伴う皮膚炎を引き起こすことがあります。そのため、駆除する際には十分な注意が必要で、まず初めに目指すべきは、駆除対象の毛虫の種類を正しく判別することです。

毛虫は、外見が種類によっては似通っている場合もあるため、色や特徴を元にして分類を行い、被害を受けている毛虫を特定することが大切です。

  • 黒とオレンジが混ざっている毛虫→マイマイガ、ドクガ
  • 黒と黄色が混ざっている毛虫→アメリカシロヒトリ、チャドクガ、オビカレハ
  • ライムグリーン(黄緑色)の毛虫→クロシタアオイラガ、イラガ
  • 全体が銀色の毛虫→マツカレハ
  • 黒と黄色で背中に水色のある毛虫→クスサン

チャドクガの特徴と生態

チャドクガの特徴と生態は以下の表の通りです。

発生する時期 4月〜6月、8月〜9月と年に2回
見た目の特徴 長さが小柄で2.5cm前後。頭部が黄色で身体が黒色。背中に黄色い縞模様があるのが特徴で、体に長い白色と黒色の毛がある。
主な食草 ツバキ、サザンカ、茶など
毒性について 50万本程度の毒針毛が体中にあり、ドクガよりも少し弱い毒性である。ただし、毒針毛で刺されると強いかゆみが残ることがあり、長いとかゆみ等が2〜3週間程度続くことがある。

チャドクガの毒針毛に刺された時は痛みがほとんどないですが、時間が経つとヒリヒリとした痛みや強いかゆみが伴うことが特徴です。

刺された時は気が付かないことも多く、しばらくしてから症状によって気がつくことが多いです。
チャドクガに何度か刺された場合、アレルギー症状を引き起こす場合があり、刺されたことが1度でもある場合特に気をつける必要があります。

ドクガの特徴と生態

ドクガの幼虫の特徴と生態は以下の表の通りです。

発生する時期 3月〜6月(特に5月から6月に多い)に発生
見た目の特徴 長さが0.4cm前後。身体全体が黒色。オレンジ色の縞模様が頭部から尻にあり、歯ブラシの毛先に似た毛束が背中に生えいる。毒々しい見た目が特徴。
主な食草 柿、コナラ、イタドリ、ハマナス、クヌギ、桜、梅、バラ、梨、リンゴ、栗、ツツジキイチゴ、など100種以上の植物
毒性について 微細で毒を有する0.1ミリ程度の毒針毛が600万本生えており、風によって飛散することがあるのでとても危険です。赤い発疹や痛み、かゆみといった症状が毒針毛に刺されるとあり、チャドクガと比べ強い症状になることも。

ドクガの特徴はチャドクガの約12倍の毒針毛が生えており、刺されてしまうと強い痛みがあります。
さらに、風で毒針毛が飛ぶことがあり、ドクガへの接触がない場合でも近くいただけで皮膚炎になることもあります。
また洗濯物や布団など外に干している場合、毒針毛が付着することもあります。

ドクガは多くの草を食べることから、5から6月は発生の多い時期なので特に注意して庭の植物を観察しましょう。

イラガの特徴と生態

イラガの幼虫の特徴と生態は以下の表の通りです。

発生する時期 7月〜10月(特に9月が多い)に発生
身体的特徴 長さは2.4cm程度。身体全体が鮮やかなライムグリーン(黄緑色)で、トゲの付いた突起が体中にある。太く短いのが特徴の毛虫。
主な食草 バラ、ツバキ、桜、柿、梨、梅、アンズ、サザンカ、ヤナギ類、栗、カエデ類、クルミ、ザクロ、ブルーベリーリンゴ、等
毒性について 身体中にトゲがあり、トゲの先端には黒い毒針毛がある。毒針毛に触れてしまうと強い痛み(電気が流れるような)を感じる。刺されたあとは赤い湿疹やかゆみを伴う水膨れの症状があり1~2週間続くこともある。

イラガの幼虫は表にある通り、多種多様な樹木の葉っぱを食べますが、中でも果樹に寄生することが多いのも特徴です。
ご近所や自宅の庭に果樹がある方は特に注意が必要です。

また、イラガの幼虫は他の毒毛虫と比べ刺された場合により強い痛みがあります。
強い痛み(電気が流れるような)が生じるので、もし見かけたら近づかないようにしましょう。

クロシタアオイラガの特徴と生態

クロシタアオイラガの幼虫の特徴と生態は以下の表の通りです。

発生する時期 6月〜7月、8月~9月の年2回
身体的特徴 見た目はイラガに似ており、色は淡いライムグリーン(黄緑色)で、背中には橙色や赤色の線が入っている。長さは2cm程度でイラガより短く、身体の前後の突起物にはトゲがある。
主な食草 栗、桜、梅、柿、梨、クヌギ、バラなどの広葉樹
毒性について 毒針毛と毒を注入する毒針があり、刺された場合イラガ同様もしくはそれ以上の激痛を伴います。もし刺されてしまった場合痛みなどの症状はイラガよりも長期化する。

特にクロシタアオイラガは、その微細な毒針毛を持っており、刺された場合の症状がイラガよりも症状が長くなる可能性が考えられます。

クロシタアオイラガも一般的にイラガと同じ種類の木々を好んで寄生先とします。特に注意が必要なのは、クロシタアオイラガが葉の裏側に多く潜んでいるため刺されてしまうことが多い点です。

身近な環境にクロシタアオイラガの寄主する植物がある場合、特にその発生時期は留意することが重要です。

マツカレハの特徴と生態

マツカレハの幼虫の特徴と生態は以下の表の通りです。

身体的特徴 長さは75ミリ前後と大型。背中は銀色で、縦に黒い毛束が生えている。
発生する時期 5月~6月、8月〜9月の年2回
食草 モミ、ツガ、トウヒ、松の木(アカマツ、クロマツ、カラマツなど)など
毒性について 背に黒い毒針毛を持っており、ドクガほど毒は強くはないが、刺された場合痛みの伴う皮膚の腫れがある。すぐに痛みや腫れはなくなるが、かゆみが1~2週間程度続く。

マツカレハは、好んで松の木に寄生するので、マツケムシとも言われます。
クロマツやアカマツ、ヒマラヤシーダなどの害虫としても知られており、稀に大量に発生して問題になることがあります。
松の木が庭にある場合、マツカレハへの注意が大切です。

その他無毒な毛虫の特徴と生態

毒がなく身近に発生する毛虫の特徴と生態は以下の通りです。

マイマイガの特徴と生態

マイマイガの幼虫は、長さ6cm程度で、頭がオレンジ色、身体は淡い黒色から茶色です。
身体の側面に集まった毛束があり、刺されそうな外観を持っていますが毒はありません。マイマイガの幼虫の発生する期間は、4月〜6月にかけてです。この期間中、クヌギや桜、梅、栗、ニレなど100種類以上の樹木の葉を食べます。

アメリカンシロヒトリの特徴と生態

アメリカシロヒトリの幼虫は、長さが3cm程度で、頭部は黒色で体は淡い黄色の毛虫となります。
成長が進むに従って、体は灰黒色に変化してきます。
この幼虫の発生は年に2回あり、それぞれ5~7月と8~9月です。幼虫は桜や柳、柿、プラタナス、胡桃、ハナミズキ、あんずなどの落葉樹を好んで食べます。
有毒なチャドクガとしばしば混同されることがありますが、アメリカシロヒトリは無毒であり、椿や山茶花への寄生も極めてまれです。

クスサンの特徴と生態

クスサンの幼虫は、体長約8cm程度の大型の毛虫です。
初期の段階では黒色で、成長するにつれて側面が黄色に変わり、背中に水色の長い毛が生えています。
幼虫は年に1回、4月~7月に発生し、特に栗の葉を好んで食害する傾向があります。また、栗だけでなくクヌギや梅、コナラ、プラタナス、イチョウなどにも寄生し、発生が多い場合は葉が完全になくなるほどの被害をもたらします。

オビカレハの特徴と生態

オビカレハの幼虫は、約6cm程度で、黄色い体色に黒い縞模様が特徴で、頭部も黒く色づいています。
成長が進むと、体の側面や頭部が青みを帯びる変化が見られます。
オビカレハの幼虫は、年に1度の5月~6月に発生し、桜や梅、あんず、すもも、栗、バラなどの広葉樹を好んで食べます。
オビカレハの幼虫は毒を持たず、毛も柔らかいため、比較的安全な毛虫と言えます。

以上が身近に発生する主な毛虫の特徴と生態です。
毛虫の特徴を知って、駆除を考えている毛虫がどの種類か把握することが大切です。

次に毛虫の駆除をする前に把握しておくべきべきことを説明します。
自身での駆除が可能かの判断する基準と駆除を行うのに適した時期の確認をし、毛虫駆除の準備を行いましょう。

自身での駆除できるかの判断基準

以下の4つの項目に当てはまる場合は、素人でも毛虫を自分で駆除できる可能性が高いです。

■一部の葉の裏に毛虫が密集している場合
葉の裏に毛虫が密集している場合は、密集している葉を切り取ることで、一度に駆逐することが可能です。こういったケースでは、手軽に自分で対処できることが多いです。

■毛虫の数は少ない場合
毛虫の数が少ない場合、自分で対処することができます。
ただし、毛虫が大量にいたり、木全体に広がってしまった場合、個人での処理は難しいため、専門業者に依頼することが適切です。

■手の届く範囲に毛虫がいる場合
毛虫が手の届く距離にいる場合、殺虫剤などを用いて比較的容易に排除できます。 しかしながら、毛虫が高い位置にいる場合や手が届かない場所にいる場合、個人での対処は難しいです。そのような場合は専門業者に依頼することが適切です。

■今まで毛虫に一度も刺されたことがない場合
チャドクガなどの有毒な毛虫に複数回刺されると、アナフィラキシーショックが引き起こされることがあります。 アナフィラキシーショックが起きると、かゆみ以外にも息切れや冷や汗などの全身症状が現れることがあります。 過去に毛虫に刺された経験がある方は、自分での対処を避け、専門業者に依頼することがおすすめです。

上記の4点を駆除の前にしっかりと確認し、自分で駆除するか、業者に依頼するかを判断しましょう。

毛虫やチャドクガの駆除に適した時期

毛虫の駆除は、毛虫が葉の裏に集まり始める初期段階が適しています。 発生初期の段階では、毛虫は木全体に広がっていないため、比較的容易に駆除することができるからです。

毛虫の種類ごとに、最適な駆除時期は以下のように異なります。

毛虫の種類 駆除に最適な時期
チャドクガ 4月頃、8月頃の年2回
ドクガ 3月頃
イラガ 7月頃
マイマイガ 4月頃
アメリカシロヒトリ 5月頃、8月頃の年2回

チャドクガの場合4月および8月頃から、ドクガの場合3月頃から発生し始まるため、これらの時期に駆除を行うのが最適です。 毛虫の種類によって発生する時期が異なるため、まず初めに毛虫の種類を確認してから駆除をしましょう。

駆除に適した時期を逃してしまっても、駆除は可能ですが、毛虫の数が増えたり、木全体に広がったりすることがあります。
その結果、自身での駆除が難しくなることがあります。不安な場合は、迷わずに専門業者に駆除を依頼することをお勧めします。

毛虫やチャドクガの駆除方法

自信で毛虫の駆除する場合は、次のような手順で行います。

  • 必要な道具を揃える
  • 木や葉に生息する毛虫の駆除をする
  • 死骸の処分をする

つぎに、毛虫の駆除する流れを詳しく紹介します。

毛虫やチャドクガを安全に駆除するために準備するもの

毛虫やチャドクガの駆除で必要な道具は2種類あります。

  • 自分の身の安全を守るための道具
  • 毛虫の駆除・退治をするための道具

毛虫から身の安全を守るために必要な道具は次の7点です。

  • 帽子
  • タオル
  • 長靴
  • 長袖長ズボン
  • ゴム手袋
  • マスク
  • ゴーグル

毛虫を駆除する場合は、肌の露出を最小限に抑える服装が必要です。 なぜなら、毛虫の毒毛は微細で舞い上がりやすいため、肌に付着し炎症を引き起こす可能性があるためです。

したがって、長袖と長ズボンは当然のことですが、手袋も必要です。また、顔は帽子、マスク、ゴーグルで保護し、首元にはタオルを巻き、足元も長靴で隙間がないようにしましょう。

次に、毛虫を排除するために必要な5つの道具を紹介します。

・毛虫を駆除する殺虫剤・薬剤
毛虫を駆除するために殺虫剤等を使用します。殺虫剤の選び方についてはこちらを参考にしてください。

・毒針毛固着剤
毛虫の毒針毛を固め、飛散を防ぐために使用します。

・割りばし・ピンセットなど毛虫をつかめるもの
駆除した毛虫を処分する際に使用します。 毛虫が地面に落ちた場合、ほうきなどで掃いてしまうと毒針毛が舞い上がり、危険を引き起こすことがあるため、必ず割りばしやピンセットを用いて、毛虫をつまんで処理するようにしましょう。

・ハサミ(枝が切れるもの)
密集した毛虫を葉ごとに切り取るために使用します。
もし、密集しておらず、複数の葉に分散している場合には不要です。

・大きめなビニール袋(2枚以上)
駆除した毛虫をビニール袋に入れ、処分するために使用します。
念のためビニール袋が破れないように2重で使うため、2枚以上用意しましょう。

安全に毛虫を駆除するために、上記の道具は必ず全て揃えてください。

毛虫の駆除に効果的な殺虫剤・薬剤の選び方

毛虫の駆除に使用する殺虫剤・薬剤を選ぶ場合は、「薬剤を使用することができる作物」 と「薬剤のタイプ」の2点を考慮のうえ選びましょう。

・毛虫の被害にあっている樹木に適用可能な殺虫剤を使用する
毛虫の駆除に使われる殺虫剤は、樹木などによっては使用することできない場合もあります。
もし使用できない樹木などに使用してしまうと、薬害が発生する場合があります。
殺虫剤ごとの使用できる樹木などは異なるので、駆除したい毛虫のいる樹木などに使用できる殺虫剤を選ぶようにしましょう。

・スプレータイプの殺虫剤を選ぶ
殺虫剤には、スプレータイプのものから、水和剤・乳剤のような水で薄めて使用するものまであります。
スプレータイプの殺虫剤は、一般の素人でも容易に使用が可能なので、薬剤の扱いに慣れていない人はスプレータイプを選びましょう。

薬剤・殺虫剤を選ぶ際には、必ず上記の2点に注意してください。

アースガーデンケムシ撃滅切替ジェット

アースガーデンケムシ撃滅切替ジェットは、さまざまな庭木についた毛虫を退治できるスプレー殺虫剤です。
ジェット噴射、ワイド噴射の用途に合わせて切り替えられます。

住友化学園芸 ベニカJスプレー

ベニカJスプレーは、その名の通りスプレータイプの殺虫剤です。
5m先まで噴射できるので、近寄りたくない毛虫を遠くから狙い撃ちで駆除することができます。
また、適用できる作物も幅広く、チャドクガの食草であるツバキやサザンカにも使用できるため、毛虫駆除におすすめの殺虫剤です。

フマキラー ケムシカダンHS

ケムシカダンは、植物にやさしい水性のスプレー殺虫剤です。
ジェット噴射により5mの高さまで薬剤を飛ばすことができ、毛虫を遠くから駆除することができます。
また、植物にやさしい水性タイプであり、毛虫の発生する様々な植物に適用可能です。

毛虫を駆除する手順

毛虫の駆除方法は、毛虫の成長段階によって2つの手法があります。
自身が駆除したい毛虫がどちらの段階にあるかを確認し、適切な手順で処理を行いましょう。

駆除の際には、殺虫スプレーが自分自身にかからないように風向きに気を付けることが重要です。

毛虫が葉の裏に密集している段階での駆除の手順

毛虫がまだ若く、葉の裏に密集している段階では、以下の手順で駆除を行います。

1.毛虫がいる場所を確認する
まず初めに、樹木上で毛虫がどの部分にいるのかを確認します。
毛虫の存在を見逃すと、駆除の努力が無駄になる可能性があります。被害を受けている木全体やその周辺の樹木を徹底的に確認しましょう。この確認作業は非常に重要です。

2.毛虫の毒針毛が飛散しないように毒針毛固着剤を散布する
毛虫の毒針毛は非常に細かく、風に乗って飛散することがあるため、毒針毛固着剤を使用して固定することが必要です。
特に、チャドクガやドクガ、イラガなどの有毒な毛虫を駆除する際には、必ず毒針毛固着剤を使用し、毒針毛の飛散を防ぎましょう。 毒針毛固着剤を使用することで、毛虫が葉や枝に固定され、毒針毛の被害を最小限に抑えることができます。

3.毛虫がいる葉の部分にビニール袋をかぶせ、枝ごと切り取る
毒針毛固着剤が毛虫を動けなくさせたら、毛虫がいる葉や枝にビニール袋を被せて、枝ごと切り取ります。もし毛虫がまだ動いているる場合は、完全に静止するまで再び固着剤を使用してください。

4.ビニール袋を2重にし、口を閉じて処分する
ビニール袋に枝葉ごと毛虫を入れたら、念のためもう一枚ビニール袋をかぶせましょう。 ビニール袋を2重にしたら、しっかりと口を閉じて処分してください。

上記の手順で毒針毛固着剤を使用して毛虫を駆除しましょう。

毛虫が木全体に分散している状態での駆除の手順

毛虫が比較的成長しており、木全体に分散している状態では、以下の手順で駆除を行います。

1.毛虫のいる場所を確認する
まず最初に、樹木上に毛虫がどこに発生しているかを確認します。
毛虫の発生箇所を見逃してしまうと、駆除の作業が無駄になる可能性があります。被害を受けている木全体とその周辺を細心の注意をもって点検しましょう。

2.毒針毛が飛散しないように毒針毛固着剤を散布する
チャドクガやドクガ、イラガなどの有毒な毛虫を駆除する際には、毒針毛固着剤を使って毒針毛が悲惨しないよう固定しましょう。 毒針毛は非常に微細で風に乗りやすく、飛散する恐れがあるため、毒針毛固着剤を用いることで飛散を抑えることができます。

3.毛虫がいる部分とその周辺に殺虫剤を散布する
毒針毛が固定されたら、毛虫が発生している部分とその周辺に殺虫剤を散布します。毒針毛固着剤で固定できていない毛虫も完全に駆除するために殺虫剤を使用します。

4.駆除した毛虫をビニール袋に入れ処分する
毛虫を駆除したら、死骸をビニール袋に入れて処分します。 毒針毛が固定されている毛虫は、ビニール袋を被せて枝ごと切り取ります。殺虫剤で駆除した毛虫は、地面に落下することがあるので、ピンセットなどを使って拾い、ビニール袋に入れます。
毛虫をビニール袋に入れたら、二重に袋をかぶせて確実に処分します。

5.駆除した場所に再度殺虫剤を散布する
毛虫を駆除した後、その場所と周囲に再び殺虫剤を散布します。
これにより、完全に駆除しきれなかった毛虫に対処したり、再発を防ぐのに役立ちます。

上記の手順に沿って毛虫の駆除を行いましょう。

駆除した毛虫を処分する際には、自治体ごとのゴミの分別ルールを確認して適切に処分してください。

ここまで殺虫剤を用いた駆除方法をご紹介しましたが、「わざわざ殺虫剤を買わなくても、家にあるもので駆除できないの?」と思う方もいらっしゃるかと思います。

家にあるアイテムで毛虫を駆除できる?

家にあるアイテムで毛虫駆除に有効だと言われているものには、洗剤やお酢、熱湯などがあります。
結論から言うと、洗剤やお酢、熱湯など、家にあるアイテムで毛虫を駆除することはおすすめできません。
以下でおすすめできない理由をご紹介します。

■お酢
お酢は毛虫が発生する前の予防としてのみ効果的だが、毛虫の嫌がる匂いを発するだけで殺虫力はないです。
そのため、発生した毛虫への効果は期待できません。

■熱湯
毛虫は熱に弱いため、50度以上の熱湯に入れると駆除ができますが、毛虫を熱湯が入っているバケツに直接入れる必要があります。
そのため、毛虫に近づかなければならないので、おすすめできません。

■洗剤
洗剤も熱湯と同様に、直接洗剤を溶かした水に入れて駆除する必要があり、生きている毛虫に近づかなければならないため、おすすめできません。

以上より、家にあるもので毛虫を駆除することは、効果が薄いうえに危険を伴うためおすすめできません。
毛虫を自分で駆除する際には、上記で紹介したスプレータイプの殺虫剤を必ず用意するようにしましょう。

毛虫を寄せ付けないための予防方法

毛虫は急速に成長し、一度木全体に広がると駆除が困難になることがあります。そのため、毛虫の発生を予防することが重要です。
毛虫の発生を未然に防ぐためには、以下の3つの方法があります。

毛虫予防の薬剤・木酢液を散布する

庭木の葉や枝に毛虫予防の薬剤や木酢液を散布することで、毛虫の発生を予防できます。
薬剤の効果を持続させるために、2週間おきに1度のペースで散布するとより効果的です。

庭木を定期的に剪定する

定期的に庭木を剪定して葉や枝を減らすことで、虫の隠れる場所が少なくなります。
また、毛虫の天敵である鳥に見つかりやすくなるため、鳥が毛虫を駆除してくれる可能性もあります。

卵のうちに駆除する

こまめに庭木の葉を確認し、卵を見つけたら駆除しましょう。
卵のうちに駆除すれば、夏場に毛虫が大量発生するなども防げます。
ただし、毒毛虫の卵には、毒針毛が付着していることがあるため、卵を駆除する際にはゴム手袋などを着用して細心の注意を払って駆除するようにしましょう。

毛虫を駆除した後に何の対策もしないと、また次の発生時期に毛虫が出てくる可能性があります。
そのため、駆除した後は必ず上記の予防方法を実施し、毛虫の再発を防ぎましょう。

毛虫やチャドクガの駆除業者の選び方

毛虫やチャドクガの駆除はリスクが伴うため、駆除を専門の業者に依頼することも一つの手です。
特に、先述した「自身で駆除できるかどうかの判断基準」で、自分自身での駆除は無理そうだと思ったら、専門の業者に依頼しましょう。

毛虫駆除の専門業者を選ぶ際には、以下のポイントに気を付けてください。

見積もりは無料かどうか

見積もりに関する料金が書かれていない場合、見積もりだけを受けて駆除を断ると、高額な見積もり費用を請求される可能性も考えられます。
したがって、見積もりの段階で費用がかかるかどうかを事前に確認しておくことが重要です。

作業内容と作業にかかる料金は明確か

見積もりの際に、具体的な作業内容とそれぞれの作業にかかる料金を明確に確認しましょう。
作業内容と料金を明示しない業者は、余分な作業を追加しようとしたり、不必要に高額な費用を要求する可能性があるかもしれません。

駆除した後の保証はあるか

作業完了後の保証やその内容についても確認しておくと安心です。
毛虫を駆除した後の再発に対する保証を提供する業者は、自信を持って駆除作業を行っているため、安心して駆除を依頼できるでしょう。

上記のポイントに注意して、信頼できる業者を選びましょう。

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新築に住んでいたとしても、場所や季節によって害虫が室内に侵入してくることは多いです。一度や二度ならまだしも「もしかして巣があるのでは?」と思うくらいに頻繁に多くの害虫を見かけて、どうしたらいいのか…と悩んでしまう人も多いのではないでしょうか...

毛虫に刺された時の皮膚炎の対処法

チャドクガやドクガなどの毒を持つ毛虫に刺された場合、皮膚に赤いブツブツとした発疹ができたり、強いかゆみを伴う毛虫皮膚炎が発症することがあります。
症状の程度には個人差がありますが、この症状は1〜2週間ほど続くことが多いです。

毛虫皮膚炎で注意すべきところは、毛虫に直接触れなかったとしても発症することががある点です。
毛虫の体から抜けた毒針毛が風で飛散し皮膚に付着するだけで発症する場合があります。
洗濯物を外に干していた時に付いた毒針毛によって毛虫皮膚炎になったというケースもあります。

毛虫皮膚炎になってしまったら、患部をこすったりかいたりするのは絶対にやめましょう。
患部をかきむしると「掻き壊し」状態になってしまい、別の皮膚炎になる可能性があります。

毛虫皮膚炎になってしまったら、落ち着いて以下の対処法で応急処置をしましょう。

  1. 患部にガムテープをあて、皮膚から毒針毛を取り除く
  2. シャワーで患部を洗い流す
  3. 毒針毛を取り除いた後に患部を冷やす
  4. 着用していた衣服を洗濯する

上記の対処法はあくまで応急処置となり、痛みやかゆみなどの症状が酷い場合、早急に皮膚科を受診しましょう。

毛虫・チャドクガは安全に駆除しよう

チャドクガのような毒毛虫は、毒針毛を持っており近づくのはとても危険です。
毛虫を自分で駆除する場合は、以下の4つの項目に当てはまるかどうかを確認しましょう。

  • 毛虫が葉っぱの裏に密集している
  • 毛虫の数が少ない
  • 毛虫が手の届く範囲にいる
  • 今まで一度も毛虫に刺されたことがない

もし、上記の項目に当てはまらない場合には、毛虫駆除を専門にしている業者に依頼することをおすすめします。
毛虫駆除の専門にしている業者に依頼すれば、安全かつ確実に駆除してもらうことが可能です。