キッチン周辺の汚れは、普段からきれいにしておきたいと思ってもなかなかできないですよね。
ただ、キッチン周辺の汚れを放置しておくと、衛生の面で問題を起こしてしまうかもしれません。
キッチン汚れの原因の代表格は、油煙や湿気。
この油煙や湿気を室外に送り出してくれる換気扇自体が汚れてしまえば、効率の良い換気ができません。
キッチン周辺の汚れも加速度的に増してしまうかもしれませんね。
今回は、あなたの健康を陰で支える換気扇の具体的な掃除方法と、汚れ防止法を、換気扇のタイプ別に解説します。
換気扇は2種類ある
キッチンに備え付けられている換気扇は、おおきく2つの種類に分けられます。
- シロッコファンタイプ(レンジフード)
- プロペラファンタイプ
それぞれつくりが違いますので、構造や特徴について詳しく紹介します。
シロッコファンタイプ(レンジフード)
大きなフードを設け、そこでコンロ周辺から立ち上る湯気や油煙をキャッチし、ファンやダクトを通過させ室外に送り出す「シロッコファンタイプ(レンジフード)」。
アイランドキッチンなど、屋外に直接面する壁がなくても設置できるといったメリットで人気です。
また、コンロ上を覆うように広がるフードが、蒸気や油煙をうまくファンに導くことも人気の1つ。
ですが、掃除の面からいうと「面倒」という声が多いのが本当のところです。
部品が多く、分解や掃除、再度の取り付けに時間がかかってしまうのがデメリットと言えます。
プロペラファンタイプ
従来型の、よく見るタイプの換気扇が「プロペラファンタイプ」。
コンロのそばの壁が、屋外に直接接しているとき多く採用される換気扇です。
シロッコファンタイプ(レンジフード)のように、コンロ上を覆うものがない場合も多いので、湯気や油煙がキッチンに広がりやすいという面は否めません。
これをカバーするため、シロッコファンタイプ(レンジフード)のように、フードの部分だけを換気扇回りに取り付けていることもあります。
プロペラファンタイプのメリットは、部品の数が少なく、直感的に部品の取り外し/取り付けができることです。
ですが、外気の状態の影響をまともに受けてしまう性質上、強風のときにファンがうまく回らない、場合によっては外気が入ってきてしまうということもあります。
重曹を使ったキッチンの換気扇掃除方法
重曹は、掃除グッズとして重宝されているもののひとつです。
そもそも食品にも使うものだっただけあり、「たとえ拭き残しがあっても安全」というところが魅力。
パッケージに「食品用」「掃除用」など、用途をプリントしていますので、その指示に従って使用してください。
重曹は、もともと油汚れを吸い込み、落としてくれるのが特徴です。
重曹に水を加えると、アルカリ性になり、油を分解する石鹸のような働きを示します。
この性質を利用し、重曹ペーストを作って換気扇掃除に活用すると、作業がはかどりますよ。
重曹ペーストは、重曹と水を混ぜただけのものですので、作り方もカンタンです。
また、水の分量の調整で、「固めで汚れ部分にしっかり密着するもの」「柔らかで優しく掃除したいもの用」など、好みのものが作れます。
具体的なキッチン換気扇掃除方法をご紹介する前に、必要物を確認しましょう。
そして、換気扇の種類により2つのパターンの清掃法があります。
- 重曹洗剤を使ったキッチンの換気扇掃除の準備物
- シロッコファンタイプの換気扇の場合
- プロペラファンタイプの換気扇の掃除法
重曹洗剤を使ったキッチンの換気扇掃除の準備物
重曹ペースト(重曹洗剤)を使ったキッチン用換気扇掃除には、次のものが必要です。
- 重曹(拭き残しが心配な場合は、食品に使用できる品質のもの)
- 水
- 使い古しの歯ブラシや、捨ててもよいスポンジ
- つまようじ
- 捨ててもよいタオルや雑巾
- キッチンペーパー
- ゴム手袋
- マスク
- 花粉症対策用メガネ
- 脚立など
このようなものを必要に応じ使って、丁寧に掃除しましょう。
体の安全に必要なのは、ゴム手袋やマスク、花粉症対策用メガネです。
しっかり装着し、皮膚に触れたり、体内に入ったりしないようにしてください。
シロッコファンタイプの換気扇の場合
シロッコファンタイプ(レンジフード)は、部品が多く少々「厄介」かもしれません。
ですが、説明書をよく読めば部品の取り外し/取り付けもわかるはずですので、手元に置いておきましょう。
シロッコファンタイプ(レンジフード)の換気扇の清掃は、次の手順で進めます。
- 電源をオフにする(レンジフードの電源を管理するブレーカーを落とす)
- フィルターを外す(整流板があれば整流板とフィルターを外す)
- 古新聞など捨ててもよいものの上にフィルターを置き、重曹を粉のまままぶし3時間置く
- シロッコファンの落下を防ぐ「オリフィス」と「シロッコファン」を取り外す
- オリフィスとシロッコファンに、固めの重曹ペーストを塗り、ラップで覆って30分置く
- 柔らかい重曹ペーストを雑巾にとり、フードの内外/シロッコファンが入っている部分を磨く。汚れが落ちたら水拭きする
- オリフィスとシロッコファンのラップを取り、歯ブラシやスポンジ、つまようじで隅まで丁寧に磨いて水洗い
- フィルターを歯ブラシで磨き、ポロポロになった油汚れを取り除く。目詰まりが気になるところはつまようじでつつき、水洗い
- すべての部品をしっかり乾燥させ、元通りに取り付ける
シロッコファンタイプ(レンジフード)の掃除で大事なのは、「重曹の使い分け」と「パーツごとに必要な掃除時間の配分」です。
上の手順なら、時間を無駄にすることなく作業を進められます。
シロッコファンには、アルミ製のものがあります。
アルミに重曹を使用すると、黒ずみが生じてしまいまうのをご存じですか?
黒ずんだからといって使えないわけではありませんが、取扱説明書に記載された洗剤を選択するのがベストです。
プロペラファンタイプの換気扇の掃除法
キッチンから目にしやすい場所にあるプロペラファンタイプの換気扇。
高さにさえ注意すれば、取り外し/取り付けは難しいものではありません。
プロペラファンタイプの換気扇の場合、次の手順で掃除をします。
- 換気扇のプラグを抜く(できればレンジフードの電源を管理するブレーカーを落とす)
- フィルター付きの場合、フィルターを外す
- 古新聞など捨ててもよいものの上にフィルターを置き、重曹を粉のまままぶし3時間置く
- ネジを逆に回す要領で、プロペラ留めとプロペラを外す
- 前面カバーを外す
- キッチンシンクにフィルター以外の部品を置き、固めに練った重曹ペーストを厚めに塗ってラップをする
- 30分ほど経過したら、歯ブラシやスポンジで隅々まで磨く
- フィルターを歯ブラシで磨き、ポロポロになった油汚れを取り除く。目詰まりが気になるところはつまようじでつつく
- すべての部品を丁寧に水洗い
- すべての部品をしっかり乾燥させ、元通りに取り付ける
プロペラファンタイプの換気扇は、パーツが樹脂のツメや金属のネジで取り付けられています。
直感的に取り付け/取り外しができますが、うまく外せないときに無理をするとツメを破損し、元通りにならないことも。
念のため、一度取扱説明書に目を通し、構造を理解したうえで掃除にとりかかりましょう。
換気扇の掃除はどのくらいの頻度で行うべき?清掃しないとどうなる?
キッチン換気扇の理想的な清掃頻度は、3カ月に1度です。
最低でも半年に1度行うべき、といえるでしょう。
キッチン換気扇は、多くの方が毎日使うため、使う度に油とホコリを巻き込みながら、モコモコとした「ホコリの塊」ができてしまいます。
それに気づかずキッチン換気扇を使い続けると、回転による振動や、空気の流れによって、「ホコリの塊」が換気扇から降ってくることもあるのです。
調理中、ホコリの塊がお鍋やフライパンに入ってしまうと、お料理が台無しになります。
また、そのホコリ汚れにコンロから火が回り、火災を起こすことも考えられるので、日頃からきれいにしておきましょう。
キッチンの換気扇掃除における注意点
キッチンの換気扇には、デリケートな部分があります。
特にシロッコファンタイプ(レンジフード)は高価な設備ですので、大事に取り扱いたいですね。
キッチンの換気扇清掃で特に気を付けたいことは、次の通りです。
- 無理な掃除は換気扇を傷める
- 汚れ予防には、使い捨てフィルターやヘアリンスが効果的
無理な掃除は換気扇を傷める
無理に部品を取り外す/取り付けることを繰り返すのは危険です。
換気扇の心臓部であるモーターに異常をきたしたり、モーターからファンに動力を伝える軸がブレて正しくファンが回らなくなってしまったりします。
また、「早くきれいにしたい」と無理に強力な洗剤を使ったり、目の粗いクレンザーを使用したりすると、塗装が剥げ錆びてしまうこともあるのです。
掃除の前に、必ず取扱説明書を読み、掃除方法をしっかり理解してから掃除をすることをおすすめします。
使い捨てフィルターやヘアリンスが効果的
そもそも論ではありますが、無理な掃除を回避するためには「汚れ予防」をしておくことが大切です。
こまめなキッチン換気扇掃除ができないとわかっていたら、市販の使い捨てフィルターを使用し、汚れが気になったらすぐに取り換えることでファンに汚れが回ることを阻止できるかもしれません。
キッチン換気扇の汚れの原因のひとつであるホコリは、静電気で呼び寄せられることも多くあります。
ファン部分やフィルター部分にヘアリンスや柔軟剤など、静電気予防効果のあるものを薄く塗っておくのも汚れ予防のひとつです。
まずは、「汚さないこと」を目標にし、無理な掃除をしなくても済む状態を作っておきましょう。
まとめ
キッチン換気扇の汚れは、健康トラブルやときに火災など、大きな問題を引き起こすことがあります。
ですが、換気扇、特にシロッコファンタイプ(レンジフード)の内部の汚れには、なかなか気が付かないことでしょう。
「あっ!」と汚れに気が付いたときには、汚れがびっしり…。
普段からできるだけきれいに扱いつつ、時折換気扇の掃除をすることをおすすめします。
また、今回紹介した作業に慣れていないのならば、ぜひハウスクリーニング業者に換気扇掃除を依頼しましょう。
専門の業者が普段手のつけられないところまできれいにしてくれるため、おすすめです。